餌や適水温を求めたり、産卵活動の為に等々、魚が成長段階や環境の変化に応じて生息場所を移動する行動を回遊と呼び、マグロ、カツオ、カジキ、サバ、サンマ、イワシなどが回遊魚の代表格。
一方で、ほぼ同海域で深浅を変えて移り住む魚は定置魚と呼ばれている。
ここでは、広義で回遊魚に該当する記事を集めている。
回遊の種類
高い遊泳能力を持っているマグロ、カツオ、カジキ、サバ、ブリ、サンマ、イワシ、ニシンなどと言った魚が、適温回遊(好ましい水温を求める回遊)、索餌回遊(食餌を求める回遊)、産卵回遊(産卵後の育ちやすい環境を求める回遊)などを行っています。
またギンガメアジに代表されるような死滅回遊(本質的には回遊ではないが)もある。
通し回遊 川と海とを行き交う魚
また川と海をめぐる回遊は、通し回遊とも呼ばれ、幾つかに分けられます。
サケ、マルタウグイ、カワヤツメなど、川で産卵して生まれても、その後の成長と生活の大部分を海に降って過ごし、産卵の時に再び川に戻ってくることを遡河回遊という。
普段は川で生活しているが、海に降って産卵し、誕生したこどもが川をさかのぼるものを降河回遊という。例としては、アユカケ、ヤマノカミなどのカジカ科魚類、甲殻類ではモクズガニなど。ウナギもこのタイプであるが、一部には川に上らず沿岸域で過ごす個体もいるので完全には当てはまらない。
普段から川で生活していて、産卵も生まれも川だが、生活環の一部で一旦海に降り、再び川をさかのぼるものを両側回遊という。アユ、カジカ小卵型、ヨシノボリ類、ウキゴリ、チチブなどの魚類が挙げられる、他にも多くの甲殻類や貝類もこれに該当する。
特に卵から孵化後間もなく海に降り、ある程度まで成長してから川に戻ってくるという形をとるものが多い。
かつては通し回遊を行っていたものが、回遊を行わなくなったり、海の代わりに湖などで回遊するようになったものを陸封という。ヤマメやアマゴ、ヒメマスや琵琶湖におけるアユなどの他、ヨシノボリやテナガエビなどでも見られる。
普段は海で生活しているが、汽水域や淡水域にも侵入する魚を周縁魚という。クロダイ、シマイサキ、マハゼ、ボラなどの沿岸魚がよく知られる。スズキも同様なのだが、海で産卵する両側回遊の側面も持っている。