夜、我が家に電話がかかってきた(携帯は持ってない)。久々にW君からで、明日北川に入らないかというお誘い。
おいらてきには五ヶ瀬の方にも行ってみたかったが、W君も何か情報を仕入れているようで美味しそうな話を持ちかけてくる。
その誘いに引かれたのか、朝4時30分に北川の道の駅に集合と言う事が決まった。果たしてどうなることやら…。
小雨がぱらつく中、W君と合流して朝の缶コーヒーを飲みもって会議を行った。
彼の、お勧め情報を得ている川があるのだが入ったことがないので川を見ながら入渓地点を探してみませんか?
という提案は、おいらが以前から『この川にエノハはおるんかいな?と思っていた川のことだった。
せっかくのチャンスなので、その誘いに乗ってみることに…。
まぁ、つまりは、行き当たりばったりでエノハのポイントを探して釣ってみようというもの。出たトコ勝負っつうわけざんすな!
~2003年 エノハの渓へ第7話~
雨には負けズ、雷様にはごめんなさい
まず一つ目の川を車で(下流部にも良型が居るという話を聞いたが)上流部へとさかのぼった印象は、全体的に手の入りすぎていない里川ってな感じで、水も美しい。
「少し下のほうで大物でもいればいいな」ということで、最初に入ったのは川幅が5m以上あり、石の河原が広がったところ。
2人が車を降りて仕掛けを作り始めた頃、急に雨が強くなった。「おいおい、勘弁してや~」と思いながらも、雨ぐらいでは2人ともくじけはしない。
勇んで川に降り立ち、W君から第1投。おいらもエサを振り込もうとしたとき、空からもう一つお土産をいただいた。
憧渓:よい、なんか聞こえんかぇ?
W :と、遠いですよね?
憧渓:じゃあと、いいんやけど・・・。
(と言いながら、後ずさりをはじめる2人)
W :橋の下に逃げますか?
憧渓:お、おぉ!
いそいそと橋の下へと避難して、雷の過ぎるのを待った。小1時間ほど石を弄んだり、ごろごろしたが、雷はまだ続いているためポイントを上流部の支流へと変更することにした。
W君が支流の下流部、おいらはその源流部へと2手に分かれた。
ああ、そこはだめ‥!
おいらは、源流部で5~6寸ほどの5匹のエノハ(ヤマメ)をゲットするものの、雷を避けつつの釣りにダウン!
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竿 APOLLO 秘峰 4.5m 硬調
糸 天上糸 1.0号、
ハリス バリバスゲーム3lb(0.6号相当)
ハリ がまかつ キジスペシャル7~8号
オモリ ガン次郎G4~G3号 やわらか君 G5~G6
エサ ミミズ、ブドウ虫等
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昼過ぎにW君と合流してみると、下の方が雷が凄かったようで2、3投で諦めたとのことで、車の中で爆睡していた。
そこで、川をかえることに。
別の川の上流に転戦した2人。降り続いた雨のせいか、少し増水しているようだが、濁りは入っていない。
交互に釣り上がりながら上を目指すことにした。
落ち込み、プール、開きが大きな規模で連続する場所に、大物の期待を持って臨んだ…。
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竿 シマノ ハヤ竿「寒風」 5.3m 硬調
糸 天上糸 0.8号 ハリス zaito鮎 0.2~0.3号
ハリ オーナー きじ7~8号
オモリ ガン次郎 B~4B号
エサ ミミズ・クロカワ虫
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ハヤが元気良く釣れてくるだけなので、大岩を越す足に力が入らないが、「ここは!」という大場にくれば自然と力が入る。
W君が落ち込みの中ほどから流心を中心に攻め始めたが、アタリが無いようだ。おいらはその結果を待ってから、岩の陰になるところから流心を外してW君の上側の奥にポイントをとってみた。
ミミズをそっと送り込むと、沈み石の辺りで目印がふっと沈み込んだ、アワセる、「おっきい!?」。
流れをグンと下っていくのにあわせて竿が絞られる。
おいらのハヤ竿は満月状態だが余裕はあるので、ひきを楽しんでいた。
最初の予定は、陰になった岩を下りながら下の開き、そして浅瀬に持っていくつもりだった。
んが、弱らない魚は先手をうって手前に走りこんできた!
『これは、まずい』、走りを止める事が出来ないまま、浅く石の多い落ち込みの白泡の中へと突っ込まれた、
『ああ、そこはだめ…』
八寸強のエノハは釣れたものの
後ろをそっと振り返るとW君のステキな笑顔がある。
W :遊びすぎたっすネ!
憧渓:ハハハ
W :いいサイズだったんでしょ?
憧渓:・・・
その後、体高もあって美しく、野性的な歯を持つ八寸~八寸七分のエノハを2本手に入れたが、情けなさがこみ上げて来る。
リベンジしなければならない川ばかりが増えていきます。
ぬぉ・お・お・・・。
2003年『エノハの渓へ』第8話へと続く♪