7月の末から9月の中ごろまでは雑多な用事に忙殺されながらも、合間を見つけて北川、大分川、番匠川の支流部を中心に入渓しアマゴやヤマメ釣りを楽しんだ。
特に北川と番匠川の2水系では、初めての谷に入り、渓の厳しさと楽しさそして悔しさを感じることができたのは収獲。
※2016年追記:この日を前後してデジタルカメラが導入された模様です^^
~2003年 エノハの渓へ第8話~
小さな沢で、素敵なアマゴとの出遭い
2003年のシーズンも終わりを告げようとしていた9月の末日。
「今年の最後はどうする?」 と考えていたら、なんとか30日に休みが取れた。そこで、最終日を祝うべく何度となく楽しませてくれた川に入ることを決め、その中でも特に小さな沢を選びチンの字と遡行した。
この日入った沢は、以前一度だけ雨の日に来たことがあった。そのときの思いもあったためアマゴの釣果に関しては安心していたものの、この日は水量も少なく苦戦を強いられた…。
車を降りて約20分ほど歩けばポイントに到着。いそいそと準備をしてチンペー君と交互に釣り上がる。
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竿 NISSIN 超小継 5.3m 硬調
糸 天上糸 0.6号、
ハリス バリバスゲーム2lb(0.4号相当)
ハリ がまかつ キジスペシャル7~8号
オモリ ガン次郎G2~G4号 やわらか君 G5~G6
エサ ミミズ、ヒラタ
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ポイントを丁寧に攻めて行くが反応がない。
少ないバリエーションの中から、オモリや糸を色々と変えてみたが、アマゴの反応はない。ハヤやアブラメでさえ反応は少ない。渇水の所為か、場荒れの所為か、それとも腕か…。
チンの字とは釣りのウマが合うため、年間を通じて川や海にかなりの日数を一緒に費やして5年が経つのだが、一向にアイコンタクトや意思疎通の精度は上がらない。
この日もその象徴が、あるポイントでチンの字の竿に訪れた。ちなみにチンペー君の竿は、4.5mの中硬ヘロヘロ竿。
チンペー「来ましたよ~♪」
そう言うので、見てみると中々のサイズっぽく竿がしなっている。
デジカメを使用する今回は竿捌きを撮ろうと決めた。そのつもりで、
憧渓:「ゆっくりな! たのむで」
といい、焦ってカメラに手を伸ばす。
チン:「大丈夫っすよ! そんなサイズじゃないデスから」と、空気を吸わせてしっかりと取り込んでしまった。
憧渓:「おい・・・」
折角カメラを出したので、悔し紛れにアマゴさんとうれしそうな顔を撮ってあげましょう。おっとこの魚体は‥。
チンの字には金色に包まれ、朱点が烈々と散りばめられたアマゴが最終となりました。
最終日、最後の最後にポロリン
この日はお昼までの釣りだったチンの字は、今年の最後を美しいアマゴで〆る事ができました。
ところがおいらは今だに顔もみていない…。
このままではいい感じで2003年を締めくくることができない。
久々の美麗アマゴに気分は良くなっているんだが今だおいらは「ボーズ」。
そこで、上流部に移動して一人で釣りあがった。
とりあえず、リリースサイズの6寸越えが2本出たので一安心。しかし、その後はまたまた厳しい状況に陥り、岩を越え、ポイントを変えてもアブラメばかりだった。
渇水のため、いつもの良型ポイントが手前から攻めにくくなっていた。そこで、ちょっと高巻いてポイントを上側からとり、竿を少し詰めてエサを投入。目印にいい反応がでた、フフフン、ラッキ~! と合わせる。
7寸越えだろう、抜こうとする。
××××
竿を詰めすぎたか? 竿を伸ばしてもう一度抜こうとする。
上の枝が邪魔だ! ムキ~!
××××
もう一度、竿を詰め引っ張りあげる感じで手元にエノハがきた、美しそうなアマゴだ。
そう、美しそうなアマゴだった。
だが、手にとる前に魚はポロリンと、岩の上から川の中へと帰っていきました。2003年最後のエノハとの出会いはこうして終わりを告げたのでした。
来年も楽しませてください
ちくしょ~、ついてない一日か…、と川から上がった田んぼには美しいコスモスの花が咲いていた。
まぁこんな最終日もいいかと思い直し、綺麗なアマゴも見れたしねと帰路に着いた。
来年も楽しませて欲しいと願いながら。
2004年『エノハの渓へ』第1話へと続く♪