番匠川と北川のエノハ釣り 支谷では滝上の大滝に圧倒される

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2004年 エノハの渓へ第9話

先日は、大分県南の番匠川及び宮崎県北の北川へと渓流釣りに出かけてきました。

この両水系とも総じて標高は低く流れ自体は緩やかであり、本格的な山岳渓流というには物足りない箇所も多い。
また絶対的なエノハ(ヤマメ・アマゴ)の放流数も少ないと思う。
※北川のダム上から傾山方面は趣きを違える。

ただ大分市街地から「綺麗な流れと美しいエノハを」と考えたときには、常に自分の選択肢の一番手に来てしまう。
25000分の1の地図を繋げて作成したお手製のエノハ攻略マップ片手に、大分県南部から宮崎県北部の小渓を歩いた時のお話です。

~2004年 エノハの渓へ第9話~

大分県南、番匠川でエノハと水泳大会

番匠川水系の某谷へとチンの字と出撃。

もう少しハードな場所も考えてはいたが、前日の仕事で宮崎から帰って来たばかりのチンの字は疲れ気味。

番匠川にて 谷の早朝

そのため林道もすぐで渓相も楽しめるお気楽な源流の谷を選んだ。
ただこの日は、強い風が吹き荒れ木が飛んでくるのを心配しながらのエノハ釣りでもあった。

/_/_/_/_/_/ 憧渓の仕掛け _/_/_/_/_/

■竿 がまかつ マルチストリーム5.3m
■糸 ゲーム3lb (0.6号相当)
■ハリ がまかつ キジスペシャル
■オモリ バリバス エコオモリ G2~2B
■エサ ミミズ

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反応はどうかな? と期待しながらの開始にアマゴが応えてくれた。

その後、支流との合流点の大場所で本一(本日の一番魚)となった8寸3分のヤマメをチンペー君がキャッチ。マダラのような斑点がグッド♪ 

尾びれの付け根も太くてステキな1本。今年の源流でのグッドな魚体は全て彼が…。

釣り人とエノハ

本一ゲットの場所から、支流好きのおいらは彼と分かれ細い流れの中を上がる。
居る居ると楽しみながら7寸越えが3本!

この時期のエノハはやっぱり走るので、掛けてからがすごく楽しい。
またこの谷のエノハは根性がある、タモの中でもガンガンはねまわる~ぅう。

番匠川のエノハ

小谷の生息確認ができて支流の様子も解れば時間をかけないうちに本流側を上がっていた彼に合流。

「まぁ見とけ」などといいつつ好ポイントを奪い取ったおいらが良型のバラシ。

チン:「しっかりかかってたんじゃないっすか?」
憧渓:「おかしいなぁ」
チン:「ギラっと反転してましたからねぇ」
憧渓:「おかしいなぁ」
と他愛もないいつもの会話に混じった異音。

下流のほうから「ドブン」、音のした方を振り返る。

2人「ナニナニ?」
再び下流のほうで、「フゴフゴ」。
2人「…!」
おいらは登れそうな木を、彼はよけれそうな岩をと耳を澄ませ音を立てないよう静かに動く。

どうも聞き違いだったようで一安心♪

上がってくるときから嫌なイノシシの足跡が多く、疑心暗鬼になっていたようです、ハイ。

何事もなくてよかったってのが本心。

その後監視員の方と出会いしばし歓談♪ 
色々と水系の情報を戴き、本当に有り難うございました。

その方によれば、この川は元々(どれだけさかのぼれるかは別として)ヤマメとアマゴの混生域であったらしく。
放流を始めてからはアマゴのみらしく、ヤマメは放流していなかったらしい。

ということはヤマメは天然物? らーて、期待を持ってしまった。
これからも色んなお話を聞いていかねばって思う。今シーズン中にもう一度行ってみたいッス。

その後2人ともに8寸クラスをばらしながらも釣れ続け、楽しい1日になりました。

ちなみに足タビを変えたチンの字、おいらの上手で釣っていた時に「のぉぉぉぉ;;」と悲鳴のような大声をあげておりました。
久々に大水泳大会となり全身ずぶ濡れ状態(笑!)。

ドブってしまった釣り人
楽な場所とはいえ、装備を舐めるとこうなりますwww

おいらもバラシが多く、ハッキリ言って不調というかこれが実力?

落ちる水しぶきと轟音木霊す大滝 北川にて

番匠川でアマゴとヤマメを楽しんだ次の日は北川へエノハ狙い!

北川 増水している流れ

昼飯を宇目町の道の駅でとって、周辺の谷を散策。
この日は前日の午後から雨のおかげか谷の水量は多かった。

エノハとタモ

/_/_/_/_/_/ 憧渓の仕掛け _/_/_/_/_/

■竿 がまかつ マルチストリーム5.3m
■糸 ゲーム3lb (0.6号相当)
■ハリ がまかつ キジスペシャル
    オーナー カッパ極
■オモリ バリバス エコオモリ G2~2B
     ガン次郎       G3、3B
■エサ ミミズ

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新規開拓の沢にとりあえず入ってみると実は大エンテのすぐ下…、初めての箇所では良くあることですが、やはりくじけます。チビエノハが1本のみというさみしい結果に急いでポイントを移動♪

すぐに1本ゲットしたおいら。苔をまとった体に少ない黒点とここらの谷に特徴的なヤマメ。
ところがチンの字がまさかの竿折れ!

北川のエノハ

おいらの予備竿を使用することに…。
昨日の水泳といいついていないようですな。

2人交互に釣れるヤマメも、元気が良くて楽しませてくれる。
かなり流れの強いところでチンペー君がゲットしたのは赤の強いエノハ(写真下)。
腹部には斑点がな~い。ウ~ム。

北川のエノハ

それぞれ、8寸前後の引きを味わい一段落し、滝を突破しようとしたとき…。
チン:「ちょっと待ってください」
憧渓:「ン?」
チン:「あ~、もう」
憧渓:「もしかして、ライター要るの?」

北川の小滝

どうやらヒルにやられたようだ。この谷はヒルが多くて、帰りがけにももう一発やられてました(悲)

滝上はエノハの楽園ではなかった

そして5mは無いくらいの斜滝の右側を高巻いてみる。そう、ここからがこの日の本番。

谷にかかる斜滝

とりあえず高巻いてみたもののこの滝上はナメが多く、神経をつかいながらも確保をして上を目指す。やっぱり2人だとどこか安心感がある。

しかし、本命と期待した割には反応が無い。これまでの反応が嘘のようにまるで何も無い。なんとかヨシノボリが釣れたくらい、エノハの楽園ではなかった。やはり先ほどの斜滝が魚止めになっているのか?と思いながらも気にせず上がるのがおいら♪

そこでおいらの目印に不思議なアタリが…。

「底石?いや」と合わせてみるとなんだか重さはある。
「どしました?」と尋ねるチンの字に
「解らん?ゴミか木?」
と抜き上げてみると!

2人唖然として声を発した、
「カ、カニ~?」

エサのミミズをしっかり挟んで口へとついばんでいる。甲羅のサイズは憧渓の握りこぶしより少し小さめの立派なカニだった…。
腕が良すぎるのかそれとも下手なのか? 渓流蟹釣りの名手とでも名乗ろうかw

そうこうしながら、釣り上がるとT字いやY字型の出会いに到着。
すさまじい音が響いてくる。

宮崎県北の隠れた名瀑を満喫した一日でした

谷底からの両側壁は20m以上あり頂上部には木々が生い茂っている。
その上、陽が陰ったせいもあってかかなり薄暗く感じられた。
巧く写真が撮れていない事が今考えてももどかしい。

暗い谷底

流れの真正面は奥に窺える壁にて左右2つの滝の合流点となっているようで、水量から右側が本流のようだ。

周囲の壁は高く、木々も鬱蒼と茂っているせいかあたりは薄暗い。
この写真では左側の滝は見えないが、こちらも意外と水量は豊富そうだった。

右側の滝は水量のため簡単に突破できないので、手前からルートを探しつつ左側の滝上方面へと進んだ。
この上で釣れればと思いながら、少し高巻き足場の安定したところで右側の滝をみると。

実は右側の滝は3~4つの連爆、しかも一番奥に見えるのは最も高そうな大滝だが、こちらから全景はハッキリしない。
滝の落ち口はと上のほうを眺めてみるが、樹木の間から見えるのは空ではなく白く落ちてくる水流、そして右側からも落ちている…。

圧倒的な連爆帯

なんじゃ? というのが実感。

雨後のお陰で通常よりも水量がかなり多いようで、水しぶきが舞い煽られ顔を叩く。
2人ともただただ圧倒され、うまい事写真も撮れないし、全体像も分からない! 
でもただただ凄い感覚がこちらへと押し寄せてくる。

予想もしていなかった光景に圧倒され、水量の少ない時に全景を知りたい!
そう強く思った。
次回釣行時は竿は要らないかもしれませんね(笑) 

宮崎県北を何気なく歩いてふと名瀑に出会えたという満足感。

水を飲みに来ていたテンが、そんな二人をこっそり見つめておりましたと。

2004年『エノハの渓へ』第10話へと続く♪

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