投稿写真館にいつもヤマメの投稿を頂いているマドロス99さん。
昨年よりずっとメールのやりとりをしながら同行を約束していたが、お互いの事情のせいでこれまで実行できなないでいた。
おいらの事情もとりあえず片付いたため、9月19日にマドロス99さんとともに入渓することに、ついでに翌日は高知へ旅立つというチンの字も無理やり連れて行くことに(笑!)
おいらのリクエストは宮崎県五ヶ瀬川支流のとある源流でのヤマメ狙い。
マドロス99さんも台風後の様子を気になっていた場所だったようで、お互い即断!
しか~し、合流するまでに道路の寸断箇所もあるなど、釣り場に行くまでにかなりのご迷惑をお掛けする事になりました…。
申し訳ないデス。
~2005年 エノハの渓へ第13話~
【2021年追記】平成17年台風14号の通過して10日ほど経っていた頃の釣行記となります。この台風は宮崎県に大きな爪痕を残し椎葉村の土砂崩れや高千穂鉄道の寸断から廃線他、ご記憶の方も多いかと存じます。
五ヶ瀬川ヤマメをパチリと^^
さて、釣り始めるのにちょっと遠回りをしたものの、なんとか車止めまで到達し10分ほど歩いてから入渓。
小さめのが釣れた後にマドロス99さんが美しい7寸手前のヤマメをゲット♪
久々にアクリルケースを持ち出してパチリ。
側線のオレンジと2段になった小さめのパーマークにきゅっとくびれた尾びれの付け根、そして精悍な顔つきが印象に残った1匹。
う~ん、グッドです。
このタイプのみが繰り返し世代交代しているとの話を聞かされ、大分川の状況を省れば寂しいものです。
美しい川はエメラルド色。
なんだか当たり前の景観のはずだったのに、2ヶ月ぶりってこともあってドキドキしちゃいました。
時折竿をほおり出して大きく深呼吸。
おいらが見学しているのに緊張したのか、マドロス99さんが良型のアタリに合わせたものの痛恨のハリ外れ。
しかし、粘って2匹目のキャッチしたのは見事! 諦めないことは大切と実感。
滝見物からの合流後に事件発生@@
小さめのヤマメのみが遊んでくれるという状況の中、水のない左股との合流点を前にして、小さな流れが注ぎ込んでいるのを発見。
声が届かないチンの字へ身振り手振りで意志を伝える。
「オレ、コレ、アガル!」
彼も目と手振りで
「ソレアガルンデスカ? スキデスネ」
再びおいらが、
「リンドウ、アガッテ、ゴウリュウスル、カッテニアガレ」
すると
「ホホホOK、トウゲンキョウハナイ、スキニシロ!」
といってるような気がした。
一つ落ち込みを越えると、大物を予感させる落ち込み発見。
「フフフのフ、これが横道にそれる楽しみじゃ~」と気合を入れてミミズを投入するが無反応。
折角仕掛けも詰めたのに…。ちなみに当たり外れはの幅は非常に広いww
そのポイントを諦め90度に折れた流れを曲がると良い音が聞こえてくる、どうやら滝がありそうだ。幅4m、高さ4m程の連続したナメ滝の上に5~7mほどの滝がおいらを迎えてくれた。
写真を撮りおえてからナメの上を流れる水に腰を降ろして一服。
もちろん高巻く気は起きませんでしたヨン。
大きく一息ついてから、
「おいらの居る場所はこんな処なんだな」、そう実感させられた。
…。
……。
「あ、2人に追いつかんといけん」
歩いているときって、一度歌を口ずさむと輪唱の様に繰り返すことってないですか?
先日五木ヒロシと石川さゆりの歌謡ショーを見たときの「麦畑」がこの日のテーマ曲だったようで、美しい谷においらのだみ声が響いてました♪
麦畑をテーマ曲にしたおいらは二人に合流。
5~6寸サイズが中心で状況は好転してないとのこと。
上を目指そうと、チンの字、おいら、マドロス99さんの順に、それぞれ10m前後の間を空けて上がっていた。
マドロス99さんがおいらを越すため、右岸の砂利場を上がりはじめた。
おいらは立ち止まって上側のチンの字の方へ目をやったとき、ズデンと大きな音と一緒にピシッと小さな音がこだました…。
そのためマドロス99さんは、竿を取りに一度下っていきました。
怪我は無かったのが救いですが、良い竿だったので心中はいかばかりか。
少し上がってマドロス99さんの合流を待つため一本とる(休憩)ことにすると、おにぎりを持ってきていたチンの字が美味そうに頬張りながら聞いてくる。
「あの~、まだアガルんですかぁ?」
源流部に入った場合に、そろそろ諦めないですか?という彼得意の表現。
しかし、久しぶりに上を満喫したいおいらにそんな言葉はとどくはずも無い。
よって無視することに決定。
しかし上がってはみたものの、魚影は薄くなった。
大堰堤で少し粘ってみたが主も留守だった。
この日は1番川だったようだが、連休の最終日にもあたり新しい足跡も多かったため場所換えを決断。マドロス99さんは陸上競技の選手だったということもあってか足は達者。スイスイと歩いて行く。
さぁ~て、下流側の本流部へ移動だ!
この川の源流部の流れと谷の印象は、大好きな大分川水系七瀬川のとある支谷を大きくしたという感じ、それは最近遠ざかっていたことの懐かしさもあるだろうが。
先日の台風かこれまでの出水のせいかは知らないが、ここもかなりガレた川になっているのは少し残念。伏流している水の量も多いだろう。
チャラ瀬が多くなったとはマドロス99さんの話。ここは良い落ち込みだったのでは? ってところも多かった。
この様子ではどの川も大変なことになっているのじゃなかろうか?
そんな心配をしながら下流側へと歩いていった。
でも川が其処にあることは何より当たり前で何より嬉しい。七瀬の流れがダム底に沈むことに思いをやると切なさで一杯になる。
インレット部辺りに砂がたまってしまい釣りにならなくなるのだろうな…。
すると、福岡のNさんとの自然護岸の話が思い出された。
「下流の自然護岸を作るために山奥の岩を削りだす。結局一緒なんですよね…」。
各人が生きること、明日を見つめること、どうすれば良いのか。
脈釣り時、仕掛けの振込みと流しに竿の持ち方
3人で下流側の本流部に移動。
立ち込んだり、大岩を乗り越えたりしながらも今ひとつのおいら、「釣り荒れだな!」、などと腕のせいにはしないでおこう…。
ひとつっぱりに満たないサイズしか釣れないおいらを尻目に2人は、6寸5分~7寸クラスが釣れ続く(この日は大きく見えましたカラ♪)。一体良型は何処に行ったのだろうか?
もしかすると流し方や腕のせいかもしれない。う~む、一旦竿をたたんで2人の釣り姿をゆったりと眺めてみることにしよう♪
さて、まず下のチンの字の流す姿を見ていただこう。
竿はシマノの天平5.3mの硬中硬。
きっちりと両手持ちで仕掛けを馴染ませ、もうすぐ自分と正対するポイントにかかるころかと。
もともと彼は0.3号の糸に軽いオモリでナチュラルに流すタイプだった。
しかし、おいらのDPN釣法の話を聞いたり、流れの強いところをより意識し始めた頃から仕掛けも全体的に大きくなっているようだ。
以前よりも竿は立ち加減な事も多くなった。
このフォームも自己流でお世辞にも美しいとは「絶対に(爆)」云わないが、漁師的な雰囲気を漂わせている気がする。
まぁ、突いたり、潜ったり、網を打って魚を獲るって事が好きな彼なんで、姿にもそれが出ていると思う。
などと考えながらカメラをバッグに入れた瞬間。
エノハ(ヤマメ)がヒット…。相変わらず間が悪いというか、どちらも苦笑いってなところ。
仕方ないのでヤマメを片手にパチリ♪ 「こんなんでましたけど、いかが?」なんて云ってる気はしたが。
次に、マドロス99さんの流す姿を見てもらおう。
大岩の上から前方にある淵の流芯を狙っていたときの画像だと思う。
ハッキリ言って両手持ちの見本のような姿勢。勉強させてもらいました。
竿の長さは7mくらいだろうか、チンペー君がへなちょこ漁師ならマドロス99さんは釣り師という感じがヒシヒシ伝わってくる。
装備や服装も舐めてませんよね♪ おいらは何処に行くのもナメタ格好。
近場の大分川には半パンにビーサンで行くこともあります。そこらに居る釣り人って感じなんですわ。
別の場所で後ろからの流し姿もパチリ。
背筋もぴっちりと伸びてます、本流部より狭くなったので竿も持ち替えてたはず。
チンの字は聞く体勢で、マドロス99さんは流す体勢といえば分かりやすいかも知れませんね。
釣りに対する丁寧さと真剣さがこちらにも伝わってきます。
宮崎のあちこちで素晴らしい釣果を上げているのは納得です。
鮎も楽しまれているので、竿捌きも巧み。巧い人ってのは釣果と姿勢も両立しているようですね。
自省の念が起きちゃいます。
などと偉そうに2人の流す姿を紹介してみたが、おいらは片手持ちの流しが中心。
どうしても源流のチョウチンで、届け~! とばかりにヨイサっと手を伸ばすのが癖として染み付いているようだ。
あぁ、もちろん本流部のときは両手で持ってますけど、ブンブン振り回してオモリが大きな音を立てて入水♪ 廻し振りなんて大きな円を描いてヤス。
キャ~! 見ないでくだされ。
本流部もサイズが出ないので、再び上へと向かう。
1時も過ぎたころに川原でカップラーメンをむさぼり食い、マドロス99さんのお仕事の話を聞いた。
中東からシンガポールそして大分の鶴崎港にも入港しているという海の男。
一等航海士として、11月頃から翌年の6月頃まで海上生活を続けているという。
お腹も張ったので、釣りを再開。
おいらはまたまた小さな脇谷へ顔を出して自分的に本一(本日一番)の6寸5分強を2つ追加。
しかし、上へあがると台風のせいか、崖の崩壊も多く危険な状況。
「今日は2本で勘弁してやるぜ~!」という捨て台詞をはき、いそいそ竿をたたんでから下りました♪ もちろんビビッテました。
その後も、小さいサイズのみ。上がっても上がっても、小さいサイズのみ…。
夕方になったので納竿としました。
おいらの釣果は、一番寂しかったッス。まぁ、久々にのんびりできたので充実はしてました。
五ヶ瀬川のヤマメと遊んで
マドロス99さんには、林道の奥まで乗せていただいたり、バーナーを貸していただいたり、挙句にはお土産まで頂いたりとご迷惑をかけた一日となりました。
渇水と大雨そして台風と厳しい状況の中、小さな谷に息づいているエノハたち。
彼女たちについてヤマメかアマゴか放流物か天然物かなんて机の前や現場で考え込むこともあるけれど、出会える楽しさと谷を遡る嬉しさ、寄り道して発見する小さな滝。
この感覚の続く事を心から願っている自分。
「よし、また行こうか!」
2005年『エノハの渓へ』第12話、
へと続きます♪
また、五ヶ瀬川水系の釣り場は下記の頁にて紹介しておりますのでご参考に。