五ヶ瀬川の渓流釣りとヤマメ 附鳥瞰図・支流概略地図

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五ヶ瀬川本流

~五ヶ瀬川本支流の渓流釣りとヤマメの概観~

五ヶ瀬川は球磨川と並び九州の鮎釣り人気を二分する清流で、全国天然鮎の遡上する100名川にも選ばれている。一方でヤマメが狙いとなる渓流釣りは、鮎人気に比べれば若干薄い感はあるものの九州渓流釣り河川御三家の一角と呼べるほど魚影と実績は高い。

五ヶ瀬川本支流の中下流域から源流域まで放流が行われているために、幅広く釣り場を探りつつヤマメを狙うことが可能。特に大物本流釣りでは九州の聖地と言えるほどの良型を楽しむことができるはず。大分・福岡・熊本方面からのみならず各地から専門で狙いに来る人も多い。

ただしこの川の鮎釣り人気は全国レベルであり、鮎解禁となる6月以降は本支流の中下流域が友釣りファンで賑わうため、ヤマメ釣り場を探すのに苦労をすることにはなるだろう。それでも水系自体が広いため十分にヤマメ釣り場も点在しており、しっかりと通いこんでヤマメ釣りのポイント開拓をしておく事をお勧めしたいし、それだけの価値がある川でもある。

順に五ヶ瀬川の鳥瞰図及び支流概略図を掲載しているので、開拓時の参考にしていただきたい。

五ヶ瀬川水系 鳥瞰図

五ヶ瀬川流域の特徴と支流概略地図

五ヶ瀬ハイランドスキー場より尾根線の南に聳える向坂山(標高1,684m)が見える。五ヶ瀬川はその東麓を源頭として、宮崎県五ヶ瀬町西部を北流、国道526号線が並走する。馬見原にて熊本県山都町に入った後で、両県境となり蘇陽峡下の桑野内ダム(仲山ダム)にて諸塚山方面からの支流三ヶ所川と合流し宮崎県へと戻る。熊本県高盛町側より阿蘇外輪山からの流れを併せると、渓谷美と神話に彩られる高千穂町から南東方向に向きを変え、深い峡谷の中をゆったりと蛇行し日之影川、岩井川、綱の瀬川などの支流を合わせる。延岡市北方町八峡川(やかいがわ)の合流付近下流から谷が緩やかとなり、延岡市街の平野部が広がってくる。河口周辺にて祝子川、北川を伴って日向灘へと流れ込む。一級河川で、流域延長は103km、流域面積1,820平方km。

五ヶ瀬川水系 支流概略地図

蘇陽峡、見立渓谷、鹿川渓谷などの景観美だけでなく、五ヶ瀬ハイランドスキー場、高千穂峡の紅葉に300年の伝統を誇る下流域一帯の鮎梁など、四季を通して自然景観に溢れた場所。

ご存じの通りだが、上流域の高千穂町は日本神話の天孫降臨の舞台として知られる。また秋の風物詩として有名な鮎簗で獲れる鮎を簗場にて焼く香りは、環境省の「日本のかおり風景100選」にも選定されており、大分や福岡からも日帰りバスツアーのコースがあるほど。

鮎だけでなく、五ヶ瀬ヤマメや宮崎サクラマスもブランド力が上がるといいな、そう願っている。

五ヶ瀬の渓流釣りとヤマメ

五ヶ瀬川は本流部の瀬や瀬落ち及び各支流との合流周辺に好ポイントが点在しているので、長竿やリールを使った釣りが主流となる。もちろん源流域の奥深くまでヤマメが居るので、渓流釣りの幅を広く楽しめるだろう。

主な支流別詳細は別ページにて紹介するので、ここでは主に市町村別に範囲を区切ってヤマメ釣りを簡単ご紹介。また、各遊漁料や放流量は淡水釣り場手引にも記しているので、開拓・攻略の参考にしていただきたい。

関連漁協は、延岡五ヶ瀬川漁協、大瀬川漁協、五ヶ瀬川漁協、西臼杵漁協。

五ヶ瀬川のヤマメ

延岡市域 曽木川、細見川他のヤマメ釣り

宮崎県延岡市域は北川、祝子川、五ヶ瀬川の鮎・ヤマメだけでなく、同河口部や南北に続く砂浜回りのスズキ・ヒラメ・エバ他に、北浦と門川方面の磯釣り場に日向灘の船釣りと釣りの種類も問わないという釣り天国の土地柄。しかもそれぞれが九州屈指の釣り場ばかりで、一年を通して旬の釣り物が身近に楽しめるとくれば、ハマちゃんならずとも釣り三昧コースまっしぐらなことだろう。

五ヶ瀬川

五ヶ瀬川の下流域とはいえ本流部での大型ヤマメの実績も多く、細見川との合流付近から上流域にかけてヤマメ狙いのポイントが点在している。漁協による本流部へのヤマメ放流も増えているそうなので、ますます期待が高まっているポイントでもある。

五ヶ瀬川に初めて行くならば覚えておきたい場所が蔵田だ。ここは鮎宿とポイントが眼前に広がるだけでなく、国道218号線と現県道237号線の分かれ道にあたる。
国道218号線(神話街道)は通過するなら素晴らしいのだが、河岸からは高く離れるだけでなく対岸にあたる五ヶ瀬川右岸へと直接わたる道もなく、県道へと降りるのが意外と面倒な箇所が多い。

そのため本流ポイントや右岸散策にちょっとした上下の移動は主に県道を行く場面が多いはずなので、最初から蔵田にて上流を目指すパターンも多いと思う。

特に初めてなら五ヶ瀬川の本流に沿って上がりつつ本流ポイントを確認することをおすすめしておくので、下記の分岐を左へと進もう。

次に代表的な支流としてここでは曽木川と細見川を挙げておきたい。どちらも入渓しやすく、なだらかな流れは釣り人を選ばす、のどかな集落の佇まいに迎えられる支流域に心も落ち着くことだろう。ヤマメの魚影もまずますといって良いだろうから、東九州自動車道を利用しての釣り人なら選択肢に入れておくのも良く、北方延岡道路の北方ICを降りれば曽木川の下流域に直行できるのもありがたい。

この他にヤマメ釣り狙いの支流として、八峡川(やかいがわ)、深谷川、行縢川(むかばきがわ)を挙げておく。

綱の瀬川は日之影町と延岡市の境界であるが、ここでは次の日之影町域にて触れることにする。

日之影町域 綱の瀬川、日之影川他のヤマメ釣り

日之影町域には、日之影川と綱の瀬川という五ヶ瀬川を代表するヤマメ釣りの支流が流れている。両支流は人気・実績とも高く、美しい渓谷美も特徴的だ。どちらにもC&R区間が設定されているが、入渓箇所付近に案内看板もあるので分かりやすいと思う。初めての場合は確認して釣りをしていただきたい。

綱の瀬川

大崩山から北へ鹿納山、五葉岳、夏木山、新百姓山から傾山と伸びる尾根を形成し祖母傾の縦走路と繋がる南麓を中心に、日之影川と綱の瀬川は突き上げていく。そのため派生する小さな谷に、遡行に魅力的なものが多いといえる。もちろん本流もヤマメを釣れるのだが星山ダムにて流れが途切れているので、注意してポイントを探す必要がある。上下流域のどちらともヤマメをは狙うのは可能だ。

足繁く通いこむなら、五ヶ瀬川右岸の支流である岩井川、追川、秋元川などの支流も面白いだろう。こちら側の支流は北面する影川であるため、ある程度渓流釣りに親しんでいるなら敬遠する人も多くなるだろうが、実績もしっかりと聞かれている。特に鮎シーズンが始まって以降の日之影川と綱の瀬川の休日は、中流域まで友釣りの方が見られるので近場の予備釣り場として開拓しておくのもよいだろう。人気の両支流がメインの釣り人なら、どちらも逃げこめる支谷が多いため選択肢には入りにくいかもだが、岩井川、追川、秋元川他が穴場になるタイミングもある。

本流と御泊川合流からすぐ上流の八戸に観音滝がある。県道を行くと八が目につく看板があるため間違う人がここに居たw 下流の八峡川とは異なるので念のために記しておく。

高千穂町及び五ヶ瀬町周辺 川走川、三ヶ所川他のヤマメ釣り

九州本島の中心点にもあたるこの五ヶ瀬川の最上流域を紹介しておこう。宮崎県の五ヶ瀬町と高千穂町そして熊本県の山都町、高森町と範囲が一気に広くなっているが、当然ながら本支流でヤマメを釣れる箇所も多い。そこで蘇陽峡の桑野内ダム(仲山ダム)上下流域に分けて見ていきたい。

桑野内ダム下より国道218号線沿い道の駅高千穂直下にあたる五ヶ瀬川峡谷や高千穂峡谷までの五ヶ瀬川本流区間は、切り立った両岸が続く長い区間だが、難所続きで手頃な入渓箇所なら片手でも余るかもしれない。国道218、325、265号線が描く三角形の中心を川が流れるため、その景観すら拝みづらい場所となっている。もちろん良型ヤマメを中心に実績はあるので、地元の方にポイントのアドバイスを聞いていくと良い。

その点を踏まえるとヤマメ釣り場なら支流で探したほうが簡単で早くなるのだが、こちらも各支流の中下流域は手強い。岩戸川、土々呂川、川走川、跡取川などが代表格となるが、中途半端に下で釣り場を探すよりさっさと上を目指すのが開拓には早いだろう。川岸に立てさえすれば遡行自体にそこまで困難はなく感じてしまうはずだw

高千穂峡

さて蘇陽峡より上流域にあたるのは、ほぼ宮崎県の五ヶ瀬町域となる。地元の方からの実績・情報もあるためヤマメ釣り河川の実力としては申し分ないし、釣り人も良くみかけるが全体に人気は薄いように思う。

なぜなら、源流方向へと国道を進んだ先は椎葉村、諸塚村という耳川水系の源流部、九州渓流釣りのメッカが控えているからだ。そのせいか通過する釣り人の方が多いので隠れた好釣り場が点在するとも聞く。耳川へと進む国見トンネルから往復の2~3時間分のんびり釣れることを考えれば、ヤマメ釣り場の開拓をしておくのも良いだろう。

五ヶ瀬川水系その他河川と渓流釣り情報

釣り場として認識は別の河川になるけれども、北川や祝子川も広義には五ヶ瀬川水系となる。北川なら本流ヤマメ、祝子川なら源流ヤマメがおすすめできる。

【記事の終わりに】

改めて地形図と共に確認しましたけど、人気が出るのも分かる川だと改めて思わされました。

また、四国山地から佐伯・宇目を経て高千穂、そして九州山地から椎葉・球磨へとのラインには独特の物、つまり日本の基層文化もしくは文化の底流とでも言えそうなものも地形図で見てとれます。「もっと通いたくなった」、そんな思いが強まります。ちょうど球磨川の支流概略図も作ってましたのでね♪

追記 う~ん、高千穂鉄道の廃止がねぇ。被災した阿蘇方面には結構国からの…があったような気もするが、無念><

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