ニジマス(虹鱒)・スティールヘッド 生態と特徴

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筑後川のニジマス
筑後川水系でのニジマス

和 名 ニジマス/スティールヘッド(降海型)
地方名 ニジマス・虹鱒
英 名 rainbow trout、Steel head
学 名 Oncorhynchus mykiss
最大体長  4、50cmから80cmを越える
寿  命  5~6年

ニジマスの生態

ふ化後満1年で体長12cm、2年で20~30cm、3~4年で40~50cmになり、全長80cmを越えるほど成長し、比較的高水温(20数度)にも対応できる。
成長の良い雌は満2才で成熟し、満3才でほとんどが成熟。雄の一部は満1才で成熟し、満2才でほとんどが成熟。という具合に成長が早く、産卵回数も寿命の限り可能であるところがエノハたちとの大きな違い。産卵期は、養殖魚では10月~3月頃で、寒冷地の自然繁殖地では4~6月頃が多いと言われる。

放流魚のほとんどは釣り上げられてしまうと言われるほど、非常に貪欲な肉食性で、水生昆虫、落下昆虫、小魚などを食す。また、陸封型と降海型があり降海型をスティールヘッドと呼ぶ。

形態

体の側面には幅広い赤色縦帯があるが赤色点はなく、多数の小さな黒色点が散在し尾鰭にも及ぶ。以前は大西洋サケの仲間に(ニジマス属として)分類されていたが、現在は太平洋のサケと同じ仲間に分類され、アマゴ・ヤマメと同属となった。口の部分は、先端が詰まった様に小さい感じを受ける個体が多い。稚魚期はエノハ(ヤマメ・アマゴ)と見分けがつきにくい。

日本では極少数の河川で自然繁殖をしている。九州の河川での自然繁殖はほぼ無く、放流(メイン、混入、お祭り等で)されたものが主である。

まぁ九州で自然繁殖があっても釣り人が認知すれば、個体数が激減するのもまた現実…。

ニジマスの分布

北米原産で、ユーラシア大陸ではカムチャツカ半島に分布。放流に非常に適しているため、現在では、南北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドをはじめ、日本各地にも広がっている。明治10(1877)年にカリフォルニア州より卵1万粒が日本の吉野村柚木(現在の東京都青梅市)に移入されて飼育が始まり多摩川に放流されたとの記録もあるとか。
降海型はスティールヘッドと呼ばれ、そのファイトから人気のゲームフィッシュである。

虹鱒の名前の由来は、体側にある赤みを帯びた縦帯を虹に見立てたことによるとか。現在では全国の河川や管理釣り場で渓流釣りの対象魚となっており、世界的にも養殖は盛ん。九州内のアマゴやヤマメの養殖場でも育成されており、お祭りのつかみ取りや塩焼きにと馴染みも深い魚となっている。

備考・その他

大分のニジマス
大分で釣れたニジマス

生態でも記したが、大変貪食な魚なので餌であれば何でも食ってしまうところがあり、初心者にも容易に釣れてしまうので釣趣に欠けるところがある。しかし、自然渓流に放流された個体は野生化し釣りにくくなり、次第にヤマメ・アマゴのような喰い方をするようになってくる個体も表れる。
単純に引きだけで言えば、ヤマメ・アマゴよりパワーはあり、同サイズなら少し太めに思われる。

渓流釣りの対象魚 トラウト類

トラウト類の生態に関する「エノハ亭」内の関連頁をご紹介。
国内の主な対象魚であるヤマメ、アマゴ、イワナ、ニジマスをより知っておくのも楽しいものです。

  1.  サケ・マス(トラウト)類
  2.  ヤマメ・サクラマス
  3.  アマゴ・サツキマス
  4.  イワナ
  5.  ニジマス

エノハ亭は、読者の方の楽しい渓流釣りを応援しています。

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