前回の北川釣行は水量も少なく苦戦をしたが、今回は雨の後とあって川の様子は上向いた感じがした。連続して三国峠を越えての北川ヤマメ狙いの一日。
この日はチンの字と同行だが、仕事も忙しく解禁以来今年2回目の渓流とのこと。のんびりと釣れたら…いっかな^^、そんな思いは伝わっていた。
しかし、おいらは昨年から目をつけていた滝上の流域を目指していた。
地図読みで林道との高度差が入渓地点で約30m、途中は100mを越える谷で、下からゆったりと釣り上がれば1日かけてもいいような距離的には中難度のコースと推測。
北川ヤマメの新規開拓支流、果たしてどうなったのか?
~2004年 エノハの渓へ第6話~
念願の滝上にエノハ(ヤマメ)は居たのか?
今回朝から入渓した谷は、新規開拓以前より地元の方から「ヒルが居るデ!」とおどかされていたり、この谷に「ヤマメは居るんかい?」とか聞かされてはいた。
本流から分かれて少しのところに落差のある魚止めの滝もあるため遡上物も期待できそうにない微妙な谷かもしれない。
以前に本流から逸れてこの滝を確認していたので、どうしてもこの滝上にエノハが居るのかを確認しておきたいと思っていた。
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■竿 がまかつ マルチストリーム5.3m
■糸 バリバス ゲーム 2lb(0.4号相当)
■ハリ オーナー カッパ極&きじ針
■オモリ ガン次郎G3~3B号
■エサ ミミズ、川虫
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さて、車を止めて準備も済ませて出発。
滝を回避して、崖を下りその上から釣り始めた。
はじめのうち、渓相はそんなにきつくないので楽に釣りあることができた。
交互にポイントを変えながら、二人ともポツポツと7寸クラスのエノハが釣れてくる。
炭焼きの跡と杉からの転進w
北川の谷らしく水は綺麗だし炭焼きの跡も見られた。焼いた炭をかついで谷の壁を登ったのか、それとも道があったのか?などと釣り以外にも思いを廻らせていた。
すると川岸といっていいのか4本ほどの杉の若木かと思い良く見てみると・・
=これは枝それとも1本の木?(@。@)=
すっかり釣りとエノハのことは、頭から消えておりましたw
さて、エノハの反応はあまりよくないと感じながらも、お互いに7本くらい釣りあげていたが、さらに上を目指すとアブラメばかりになってきた。
目の前にちょっとした滝が見えてきた。左側の壁はヘツルには高そうなので、右側の斜面を高巻く事にしたもののこちらも少し手強い。
足元がすべり中々尾根線に出られない。何とか突破した先はちょっとした廊下になっている。
その後も仕掛けを投入して、へつって、仕掛けを入れて、へつってを繰り返すがエノハの反応は無い。
大きな釜に行き当たり、上も確認すると狭い廊下になっているので、この日はここであきらめ沢を変えることにした。
エノハのサイズを含めてもう少し上の方がいいのかもしれない。
再度次回に課題を残すことになったが、この谷は水や景色の美しさに優れ、渓相もバリエーションがあり、遡行の楽しみもある良い谷という印象をもった。
午前中の移動だけで距離は稼げなかった部分はあったが、ほぼ谷通しで往復したせいか「ヒル谷やで!」と聞いていた印象は受けなかった。
林道や杣道を通っていたらまた違っていたかもだが、ヒルに出会わないのは何よりでした。
次回は何とか魚止めを目指すべく、途中を省略してもう少し上から入渓してみようと思う。
ヒルに出会わないようにと祈りつつw
昼食後の谷は無反応だった
昼食をとった後、もう一つ新規開拓の谷へと入ってみた。
いきなり、チンの字に7寸越えエノハが来たがその後は鳴かず飛ばず…。
堰堤も連続して、疲れも倍増…。2人とも丁寧に狙っているつもりが、どぉーもバテテいるのか集中できない。
早めに場所換えしたほうが良さそうだとこの谷を見切る。
美しいエノハに疲れも吹っ飛んだはず!?
北川本流で狙うかとも悩み様子を見たが、ヤッパリ谷の方が良い!今日はそんな気分だった。
時間も限られているので、新規開拓ではなく知っている谷へと向う。
車を止め、30分ほど林道を歩いて直接好ポイントを目指す。
久々の歩き中心の釣りでバテバテのチンの字は、車中で聞いた「関の鯛釣り唄」が頭から離れないようで、
憧渓:疲れたなぁ
チン:鯛じゃい、鯛じゃい!
憧渓:大丈夫か?
チン:鯛じゃい、鯛じゃい!
憧渓:…、…。
オイラといえば、ヤッパリバテテ居た。
鯛釣り唄に対抗するならばと刈干切唄を選択。
登山時や釣行時って意外に歌っているものだけど、あれ人と出会った時って本当に恥ずかしいもの♪
大分川や大野川のスズキ狙いの時も何気に歌ってるもので、誰かが近くを通っても素知らぬ振りで歌い続けるしかなかったりするww
さて、足がふらつく中、再び谷へと降下。
ラク(落石)にお互い気をつけながら、なんとか川に立った。
仕掛けをちょうちん釣りにしたおいらは、すぐに6寸5分ほどのエノハをキャッチ。
この竿も思っていたより、この短仕掛けで使いやすい♪ 嬉しい誤算だった。
交代で釣りはじめたチンの字はまだ眠っていたようで、同一ポイントで1本目のエノハをバラシ!
2本目もバラシ…。
憧渓:シャッキリセンカ~イ!
で目が覚めたかどうかは分からないが、なんとか3回目に7寸クラスをゲット。
これで目が覚めたか、疲れが飛んだか? 彼も動きが集中してきた。
お互いに同サイズを追加しながら上流へと歩を進める。
新しい竿のちょうちんでの調子が分かった後、目印にしっかりとしたアタリがでた。
8寸クラスの良型。
少し苔が付いた様で、側線に薄っすら赤が浮かぶこの沢のエノハ。
今年も会えたことに感謝・感謝。
写真を撮り終えて、竿を持つとミミズが手についてモゾモゾ動いている? 活きが良いやつやなと思ってふと見ると…、オイお前はもしかしてヒルじゃねーか! どこで吸おうかな~とおいらの手を物色している。
このヤロっと取り外し即座に場所を移動した。ここも存外ヒル谷なのを忘れていた。
さて、この後にグッドサイズが期待できるポイントがあるので、チンの字に譲る。
そして、落ち込み下の開きでアタリがきたようで、すっとあわせた!
竿が絞られる、やっぱりグッドサイズが居たんだ。
彼は落ち込み下の岩の中へ突っ込もうとする魚をいなすように竿を操る。
オイラはエノハとのヤリトリを写真に収め、応援に寄った。
引きの加減から、2人とも間違いなく尺クラスと思っていた。
取り込んでみてビックリしたのが、そんなサイズでは無く8寸4分ほど。
ただ体高と幅が凄く、それであんなに引いたのかと納得。
精悍な顔つきの雄ヤマメに2人ともがっちりと握手を交わした。
関の鯛釣り唄が魚を呼ぶ??
美形エノハに出会えたその場では疲れは飛んでいたように思えたが、帰りに待っていた再び30分近い徒歩はちと堪えましたw
友船に在った中から、おかずに7寸ほどのを2本キープし他はリリース。
再び大きくなって遭える日を期待しておこう。
数もサイズもそんなに出たとは言えないが、遡行に釣りにと本当に楽しい1日になった。
どーも「関の鯛釣り唄」とチンの字との相性は良いらしく、大分港でメバルやホゴを狙う際も歌いながら釣ると中々に調子が良いのだとかw
「はぁ~、鯛じゃい、鯛じゃい♪」
2004年『エノハの渓へ』第7話へと続く♪