イワナとエノハを塩焼きで〆た2005年の最終釣行

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2005年エノハの渓へ 第12話

平成17年9月27日、この年の禁漁までほんとにあとわずか。
この日を逃しては、渓で遊べる機会はなくなってしまう。

そこで、チンの字を誘い某川のとある支流へ出撃することにした。

深夜おいらの家に集合して出発、一路イワナの棲んでいる●●谷へ向かう。
2年ぶりになるし、イワナも現場で塩焼きにして食べてみたいし、渓相も好きだしってこと今年の最後に選んでみた。

標高も高く、息も白く、星空も美しい場所だw

~2005年 エノハの渓へ第12話~

イワナへの気合が空振って、現場で寝過ごすと…

途中からは林道を上がる。
台風の影響で車止めまで行けるのか心配してはいたのだが、多少道が荒れている程度で問題は無かった。
九州の釣り場の中では標高は極めて高い場所にあるため、車の外は煌々と闇夜を照らす美しい三日月の光線に吐く息も白く映っていた。

「これほど満天の星空は久しぶりだ…」、そんな思いに耽る。
おいら的には久住や祝子よりも美しく感じられ、九州よりも標高のある四国山地での星空が懐かしく思い出された。

落ち込みと小さな渕

すでにこの谷を満喫した気分のまま、時間待ちの睡眠に入る。
6時前に起床して入渓することにしようかと2人で話し、スヤスヤと寝入る…。

スヤスヤ、ZZZ
3~40mほど下を流れる川の音に気持ちよく寝ていると、何だか知らないがまぶたに飛び込んでくる日ざしが強い…。
あ、7時前じゃんか。

2人とも慌てて飛び起き、リュックを担いで出発することに。
車を留めた場所から少し下ってから入渓したが、実はこれが失敗、夜通ったときには無かった車が下の入渓点に止まっていた。
このときは地元の人が山仕事に来ていたくらいに思ったのだが。

とりあえず川に降り立ち、懐かしい渓相と美しい水を満喫。
出発の写真を撮ろうとチンの字をまず1枚。
今度は横にしてとおいらが覗いていたファインダーに動く影が見えた…。

イワナに気合が入るが

「お、おはようございます」とビックリしながら挨拶する2人。
先に入渓されてたんですね…!?

イワナの谷の流れ

というわけで、2~3kmほど下流側に移動して釣ってみる羽目に。

イワナの棲まう谷底の流れへと

下降点からルートを辿って川へと歩を進めてみた。
最初は良かったものの、途中からは急な崖の道に変貌。
足元に川原が見えるほど落差はきつい。

しかし、下降中は楽しい。「滑るなよ」、「切れるなよ」と念じながら山仕事のために付けられていたロープを頼りに足元を確保。
道具は使用するまでも無いが、滑れば大怪我では済まない。「OK」、「行きま~す」なんて声を掛け合いながら下っていくときは、いつもは通じない2人のアイコンタクトよりも息はあう。
ちょっとしたスリルも渓流釣りの楽しみなんですよね。

ザイルが無かったので、ロープに感謝! 何とか2人とも無事に川に立つことはできた。
ただし、足腰が弱っている自分にちと情けなさがこみ上げて来たのは、ナイショ。

林道周りは人工林が広がっているが、一旦川に下りてしまえば変化のある自然林が渓谷師の目を楽しませてくれるのが素敵なところ。
高巻が必要な大きな滝もほとんど無く、適度な落差と大きな石もあるので、のんびりと楽しめそうだ。ただ谷が深いため、エスケープできそうなルートはあまりなく、ピストンか距離を詰めるしかないところでもある。

葦の群生が見られたり、コンクリ護岸の中にある水路のような川、どこまでも続くようなゆったりとした流れなどなどよりも、多少ガレた川で釣果がなくても沢歩きが楽しめる方がおいらの好み。

川原に降り立ち、遅れを取り戻すべく釣りの準備を急いだ。

渓流 どこかにイワナが居るはず

以前この谷で釣ったとき、ミニイワナのみだったので力が入っているチンの字。
中州を形成している2つの流れの本流側から釣りはじめた。おいらは、細いほうの流れを攻める。

/_/_/_/_/_/ 憧渓の仕掛け _/_/_/_/_/

■竿=シマノ「渓峰」ZD5.3m硬中硬 穂先にPE1号を3cm
   予備に、がまかつ翠山3.6m超硬
■糸=バリバス ゲーム2lb(0.4号) 2.5~4m
   ※天上糸無
■オモリ=バリバスエコオモリ G2~2B号
■ハリ=グラン キジブドウ虫 1~2号
■エサ=ミミズ

/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

40cm幅で流れている沈み石の頭にミミズを送り込んでみると、
「ほ~ら、来た!」
一気に抜き上げると八寸越えのイワナちゃん。ヌルヌルとしたさわり心地とウニョウニョとヘビを思わせる動きに満足。

イワナ

赤い斑点はハッキリせず、美しい魚体とはいえないものの嬉しさはこみ上げて来た♪
得意のアクリルケースを持ち出し、水を入れてイワナを入れた。
リュックの中のカメラを探していると、ケースが暴れている音がした…。

イワナ

ケースの隙間から水が漏れて無くなり、イワナがバタバタと暴れている。
先日ひっくり返った時か、それともさっきの下降の時か? 慌てて水を入れカメラを準備、1枚の写真を撮るのに1回水を入れることに…。

幸先は良かったがこの後は静かなもの。
チンペー君はエノハが1本でイワナゲットならずに返り討ち。
おいらがちびイワナを1本追加したのみ。

イワナの塩焼き準備の昼飯ドキニ事件発生ス…

11時前に下降点へと戻り、昼飯の準備を始めた。
おいらはお湯と石組み&火起こしでチンペー君は薪集めと魚の処理。

野外飯

おいらが火起こしをしていると魚を捌いていたチンの字が、
「あ!?」と声を上げた。

カメラが軽く水に浸かったようなので、慌ててタオルを渡す。
とりあえず大丈夫だったようで一安心して、沸き始めたお湯に注意をやりラーメン作りに入った。
捌いた魚も火にかけラーメンにお湯も入れた頃、誘われるように水辺に近づいた彼が再び、
「あ!?」と声を上げた。お前はなにしとんじゃ~!

デジカメが今度は完全に水没し、モニターに水がはいっているのも見える。
色々と景色も撮っていたはずなのにネ、無念!!

イワナの塩焼き

カップ麺を食い終えた頃、イワナとエノハ(7寸弱)も焼けたので口に運んだ。
長野にてバイトをしていた頃に食った養殖物以外、四国や九州で釣ったイワナを喰ったことは無かったので、今回一番楽しみにしていた。

一口喰ってみると、「美味~い!」

肉質はジュ-シィで甘く、体高よりも幅の方があるためか肉厚で脂が乗っている。
エノハよりも美味しく感じた、外で喰えばそりゃあねとは思うけれど♪
こりゃぁ年に1~2回はこの谷に釣りに来なければなりませんナ。

ラーメンとイワナの塩焼きを満喫したのでポイント移動。
先ほど下ってきたロープ場を上がる。

崖を2合目分登ったかくらいで彼が、
「腹、痛いッス…」
心配になって、
「大丈夫か?」と聞くと、
「今のところは、何とか」と弱い答。

一生懸命に危険のないよう急かして車へと帰る。
「そこらで野グソすれば?」
「大丈夫デス」
と荷物を載せて慌てて車を走らせ始めた。
しかし、公衆トイレがありそうなところまでは40分近くかかる。

「我慢できるんか」とおいらの問いに、
「なんとか…」とは答える彼だが、自信がなくなったのか、
「あとどれくらいですかね?」と逆に尋ねてきた。
「まだ30分位は走るはずやデ」というおいらの答えに車を止め、ティッシュを持って竹やぶに走りこんだ。

イワナの谷下流にてエノハを狙いで〆る

お腹の具合が落ち着いた彼とともに休憩しながら、午前中とは別の水系にて入渓点探し。
すると、ある橋の下から入れそうな場所を見つけた。

入渓場所には出会いがあるので期待してミミズを投入するが、小さいエノハの反応だけ。
その後は交互に釣り上がったが、瀬続きでおいら的には竿を出す気にもならない上、エサを流してもチビエノハかアブラメばかり。
落ち込みも無いまま5~10mほどの側壁を持つゴルジュ帯に入った。
ナメ岩の廊下になっているため、ヘツリは難しそうと云うことで右岸を小さく巻いてみた。

降りたところは再びの出会い(写真)。良さそうな小滝が奥に見えているではないですか! 彼にニッコリ笑いかけると、どうぞどうぞという表情が返ってくる。

トユ上の廊下、奥に滝が見える

とにかく仕掛けを短くして流れの薄いところを渡り、ミニゴルジュに突入。一番下の開けたポイントでは釣れなかったものの、壁が狭まったところからは反応が出始め、滝までになんとかこの日最長エノハとなる7寸クラスを2本ゲット♪

ナイスな寄り道となりました、流石に滝を登ると合流が面倒なので止めといたとか、止められたとかw

さて、この出会いから上流は少し開けていたものの、薄暗く大きな瀞が待ち受けていた。
彼に追いつこうとすると、「待って~♪」の合図が送られてきた。
プールに良型が居るのか?と下流側で竿をたたんで様子を伺うが反応は無いようだ。
そこで、追いついて話を聞くと八寸越えの良型が浮かんでいたようだ。

「何度か流したんすけど、ダメかもしれんすね」
「この先はどうよ? 行けるかえ」
「いやぁ、曲がっているから先が見えんですよ」
おいらも岩をあがって確認してみると納得。
「最後になるかもしれんから、もう一度流してみいや」
と、会話を交わした後、おいらより一段上に居たチンペー君がミミズを送り込んだ。

「あらら?」
「どげぇした…」とおいらの問いを遮るように、
「来ちゃいました~」と喜びの声があがった。
足場は高いので、おいらがタモ入れ♪ 九寸には届かないものの八寸五分はありそうだ。
今年のラストとなる良型かもしれないので、記念撮影をパチリ!

エノハと釣り人

タモ入れ係はおいらの役目、ん? 釣り座はバックの岩の上だったのです。
タモはやっぱりおいらの~♪

とりあえず此処で納竿。ラストはチンの字に〆てもらいましたが、自分はしまってない気がしましたw

帰りにちょっと寄り道

最後にどこかで竿を出そうぜ~! そう云いながら車は大分方面へと下ってきたが、ここはダメとかあそこは遠いなどと、2人とも釣る気は無くなっているもよう。
竹田も通り過ぎれば釣る場所は無いようなものダス。

そこで57号線から少し寄り道して、朝地町の普光寺磨崖佛(下写真)を見物、初夏のアジサイでも有名。久しぶりに訪れたが相変わらずの大きさ。
近くにある用作ゆうじゃく公園は紅葉も美しいけれど、まだ早いのでこの日はパス。
今年のエノハ釣行を観光で〆ることになるとは…。

普光寺の摩崖仏

今年最初の大物はニジマスで最後の良型はイワナ。
エノハ狙いじゃないの? って自分に問い掛けると、「しまらない一年だったなぁ」なんてしみじみ思います。

小さな谷も幾つか新規開拓できたし、2005年はまぁ良しとしておこうか。

ではでは、2006年エノハの渓へ第1話へと続きます♪

こちらは、九州にイワナが居たのか? ってお話^^

今はイワナ=鮇って漢字でも間違いないって言えるのかもだけど、「果たして当時はどうだったのか?」を今後も調査していきます。

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