~ウェーダーは、解禁初期の防寒と一年通して使える手軽さが売り!~
愛媛、福井、岐阜、長野などかなり寒い2月に解禁を向かえる場所は言うまでもなく、3月の水は痛いという表現があてはまるほどに冷たく、釣りを続けるのも辛くなるほど。そんな解禁初期の防寒対策を含め、水対策として最も手軽な渓流釣りの装備がウェーダー。入門の初心者はぜひとも一つ持っておきたい装備でしょう。
シーバスや湖岸からの釣りにも役立つため、釣り自体が初心者でなければ耳にしたり、所持している人も居るだろう。持っているならばその流用で構わないし、渓流にエイは居ないのでガードなどは気にしなくても大丈夫。エサ、ルアー、フライ、テンカラなど釣り方も問わない。
ウェーダーはズボンの上から履けるため、特に早期は内にももひき…、ぱっち…、すててこ…。まぁそのなんだ、寒さを防ぐための手段は多くなるのもありがたいポイント。着替えの手軽さも重要なポイントかと思う。ちょっとした上流域で午前、午後に車での移動を含む場合に脱着も容易で、車内の座席に気を使わなくて済むのもありがたい。
また長いものですと足先から胸の上まで保護されますので、下半身のヒル対策にもなります。筆者のように鮎タイツに鮎足袋などですと、足首の隙間からはいずりあがってきますので注意が必要ですし、もちろん上半身の隙間には注意が必要。サーフや河口に立ちこんで塩味を加えておくと弱冠のヒル除けになることも知られています。
ウェーダー装着時の危険性やマイナス面
さて防寒と手軽さの面から一年を通してウェーダーを使い続ける人も多いです。最近は通気性の良いものや開いた穴が自然修復するという恐ろしく進歩したもののすら見うけられ、筆者の周りでも使っている人は沢山おります。
しかしウェーダーも万能ではありません。
初夏(早ければ4月末)以降の渓流釣行では何よりムレムレ・ムシムシと余計に汗をかいて濡れ濡れ、夏真っ盛りはもう大変です。高価なものだと透湿素材で内部の湿気を逃がすもののありますが、気持ち程度に思っておくこと。防水透湿であり排水ではありませんので、水分はどうしてもウェーダーの中に溜まります。本体の重さもあるので余計に体力が奪われ、長距離の移動だと疲労が倍増します。
また、藪漕ぎといってススキや笹の群生しているような箇所や折れた小枝がある場所を突破することが出てきますが、そんなときにウェーダーが破れる可能性はかなり高い。アウトドア好きなら布テープが便利なことをご存知だと思うが、こんなときも布テープで応急処置を施し急場を凌ぐ方法もあるので覚えておくといいかもしれない。
※ちなみに布製テープは100円ライターに数メートルほどぐるぐる巻きにし、ビニール袋などでベストのポケットなどに入れて持ち歩くのをおすすめしておく。ウェーダーの穴を塞ぐだけでなく、火起こしの着火材代わり、傷テープや止血剤の代わりまで勤めてくれる便利なアウトドアグッズ(笑)である。
命にかかわることで特に危険なのが、転倒・水没時にウェーダーの中に水が入ることで溺れてしまうことなのです。これには十分な留意が必要で、練達しても不意の転倒は渓流釣りにつきもので、初心者ならずとも転倒・落下の危険性は常に頭に入れて行動すべきです。ウエーダーを着て水深30~40cmの川で調査を行っていた人が200mほど流されて死亡するという事例が報告されています。
危険には変わりありませんが、ウェーダーの腰上まで来るような箇所でもプールなどのように流れもほぼなければ突破可能と考えていますが、押しが強い水流箇所においての渡渉・遡上は絶対に危険です。特にウェーダーの膝上にまで水が来るような箇所はもう赤信号が点灯しています。
無理だと思えば引き返す勇気が大事です、例え尺物の楽園(かなり気のせいですw)があったとしても…。
少し脅しましたが、滝を見れば遡りたくなる、大きな溜まり(プール)なら泳いで渡る、ザイルで降下するなど沢登りも兼ねるような渓流釣りでなければ、基本ウェーダーで十分以上です。最も使っている人が多いのもその理由、危険性・マイナス面はしっかりと把握しておけば大丈夫かと思います。
ヒップ、ウェストハイ、チェストハイなど様々なタイプ
まずは、アマゾンや楽天他通販系やシマノ、ダイワを初めとしたメーカーにて商品をあれこれ物色ですね。今回はPROXさんとダイワさんのラインナップから参考にしてみます。(註)筆者はどれも使っておりません、あくまで参考のイメージです。
ヒップ、ウェストハイ、チェストハイの3つがあり、詳細は次段にて解説するとしてまずはどのようなものか確認しておきましょう。
ヒップフェルトウェダー(PX5614) PROX
※参考画像 PROX
ブリザテックウエストフェルトウェダー(PX5565) PROX
※参考画像 PROX
チェストハイ型 PW-4204R DAIWA
※参考画像 DAIWA
ネオプレンチェストストッキングウェダー PROX
※参考画像 PROX
ではウェーダーのイメージを持っていただいたところで、次段にて種類や特徴をみたいと思います。
ウェーダーの素材と種類を解説
ウェーダーに良く使われているのは大きく2つで、ナイロン製(ゴアテックスなど防水透湿性素材含む)とネオプレーン製。ナイロン製はふっくらとしているため体型を選ばない利点があり、ネオプレーン製はフィット感と防寒性に優れるが最も蒸れやすい。
またウェーダーを長さで分けると股下までの足だけを覆う『ヒップ(バカ長)』、でん部から腰までの『ウェストハイ』、そして胸までの『チェストハイ(胴長)』となり、当然ながら体を覆う量が増えるほど蒸れるようにもなっている。筆者あたりの年齢だとバカ長や胴長の方が通じやすいかもしれない。
良く行く川が決まり(河川状況を知っている)遡行に深場などが無い・目の前にマイリバーがあるちょい釣り、自然渓流をつかった放流釣り場等ならヒップウェーダーで十分。ルアー・フライなど河口・サーフ・湖などのウェーディングでも使いまわしたいならウェストハイ以上を、防寒プラス年間通じ場所を選ばず使いたいならチェストハイという風に考えておくといいだろう。
もう一つあるのが靴周りで、以前は一体型とセパレート型などと勝手に言っていたけれど、昨今ではブーツタイプとストッキングタイプなどと呼ばれているようだ。ブーツタイプはゴム製の長靴がウェーダーと一体型になったもので、ストッキングタイプは足の部分がネオプレーン製で別に靴を履くタイプとなる。
ブーツタイプが着脱・掃除・干すことを考えれば最も楽で、ナイロン製との組み合わせで商品も多く、手頃な価格帯から入手しやすいのもあって、多くの初心者が手に入れていることと思う。
ただ装着時はブーツ部分に足との一体感が弱いため靴擦れや疲れの原因ともなるので、サイズ選びに注意するか厚手の靴下で調整するとよい。一体感を強めるため(個人的には足袋系が使い慣れているため)に、足の親指が独立している中割タイプをオススメしたいが、靴下も5本指タイプが必要となるなどお手軽な面が消えてしまうのは初心者に難点かとは思う。またブーツの部分が壊れると修復は不可能で買い替えとなります。
靴を別に履くタイプつまりストッキングタイプであるが、ネオプレン・透湿素材使用など少しお値段が高くなるものに多い。がっちりとした登山靴の底にフェルトを張ったタイプのものなどとの組み合わせでファッショナブルに楽しみたい女性やルアー・フライなどポイントまでの距離を稼げる釣りなどで多く使われている。
ストッキングタイプは靴を別に選べるために、足回りのフィット感が増したり、別の靴を使えたりなどといった便利さがある反面、ブーツタイプと比べれば掃除の手間や壊れる箇所が増えるといったこともある。靴にもよるのだが足首にガード類がないと砂利を中に噛みこみやすく、小石で足裏が痛くなったり最悪はストッキング部分が破れる時もあるので注意。まぁ最も重要なのは2つ買うことで値段がほぼ倍増することだろうか(笑)。
足の裏部分はソールと呼ばれています。これについては次項「鮎タイツ・沢靴とソウルの種類」にて詳しく説明したいと思います。
最初の購入は「試着できるところで」をオススメ^^
ウェーダーは慣れてくると通販でも良いですが、初心者の最初の一品目だったり、身長は高いが足は小さめなどフリーサイズが心配になる方ならお店で試着してみて確認しておくことを強くオススメします。お財布と相談しつつ、全体的な重さ、フィット感、動きやすさを実際に試しておくのが良いですから。
初日にソウル部分が剥げてしまうことって意外と聞きますし、破れたときの相談や修繕方法の確認などショップさんと繋がっておくのが賢明です。残念ながらウェーダーはかなりの消耗品であり、入渓の頻度によりますが最短だと一年かもしれません。
ソウルの張り替えと穴を補修し続け、ウェーダーをだましだまし10年ほど使っていた輩もおりますが、平均で年10回行ってないと思います。
【安全第一で】
渓流釣りと沢登りの大きな違いはトラウトの存在でしょう、竿を持ったままの(両手がフリーでない状態での)移動、釣れてない時の苛立ち、突然の大物がきたときの焦り、無理な形でのリリースなど足元を疎かにする危険は沢登り以上です。ゆっくり移動で構いませんので、周囲の状況確認を忘れることなく楽しんで欲しいと思います。