解禁(晩冬~春頃)の渓流釣り

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梓川の初春

渓流釣りの解禁は早い河川では2月初~中旬、遅い河川でも4月初め辺りにはその時を迎え、全国の釣りファンを楽しませるようになる。

禁漁期には過去の写真を見つめたり、仕掛けや疑似餌作りを作ったり、休暇を取る準備をしたり、海釣りに専念するしかなかった渓流愛好家達は解禁日が近づくと落ち着かないものである。
それでもある程度慣れが来てる人の場合は、「もう少し暖かくなってから…」とか「サビ残りの痩せた魚釣ってもなぁ…」などと理由をつけて解禁日の人混みを避ける場合もある。

そんな解禁から春の渓流釣りをみていこう。

渓流釣りの解禁日、人は春だが川は冬

ヤマメやアマゴをはじめとした渓魚達がいくら冷水を好むとはいっても、水のしぶきが岩につららを作り、瀬脇のたるんだ箇所に氷が張ったりするような水温が低くくなる冬の日に活性はあがらない。

逆に渓流釣りファンは解禁という事で活性はただでさえ高く、都市部に近い渓流釣り場や成魚放流を行う河川の解禁日などは、移動すらままならないような光景をニュースなどで見ることになるのは風物詩と言えるのかもしれない。

都市部などでは春めいた日でも、渓流釣り場となる山間部に川の中もまだまだ冬。風が強い日や特別に寒い日だと手も震えて、仕掛けの交換や餌を針に刺すこともままならない。

温かさを維持できるような装備をしっかりと準備しておく必要がある。

解禁前後は、水温を注視。深場に身を寄せる渓魚達

川の中は未だに冬の解禁を迎えた渓流釣り場、水温が低い川の中でヤマメやアマゴなどの渓魚達はできるだけ動かない事で対処している。具体的には深場のある渕や堰堤下などで寒さを凌いでいる。

このような渕など深場の特徴は餌の豊富さではなく湧水や流れの弱さなどによる水温の安定で、渓魚達が越冬するには特に相応しい場所となる。渓魚達も当然ながら派手に動いて口を使い無駄に体力を使うことは無いので、しっかりと口の前にまで針を届ける必要があり釣果は中々上がらないだろう。

当然だが源流に近づくほど水温は下がり、下流に行くほど水温は安定するので中流域から上流域の方が釣果を上げやすいと思う。湧水などが多く水温の安定している川、水量の多い川などが狙い目となる。
水温と水量の安定している場所ではヤマメやアマゴも十分に活性化し始めており、日当たりの良い岩陰などではカゲロウ類が羽化を始めていたりするので川虫の多くみられる河川は特に有望視できる。

※雪解け水にも注意

暖かくなれば山々からの雪解け水で川は増水してしまう。

西日本では山中の積雪を考え過ぎなくても良い(もちろん零ではない)が、流程距離が長く源頭周辺の山岳標高が三千米を越えるような川の場合は雪代による増水にかなり影響される。
泥交じりの増水に、体力の戻っていない渓魚達はより安全な深場や沢に逃げ込んでしまう。

雪解けの始まった山岳地帯

このような状況では、流心をメインに流すのではなく、影響の薄い支沢に入渓したり、緩流部を鍵に当日の反応を探りながら釣るしかないだろう。

渓魚ではなく人との勝負になるが…

釣果のみを考えて入渓地点を決めると、解禁からすぐの日々は人の活性が高すぎて移動すら難しい時がある。

水温と水量が安定しスレのない良型の期待が持てるということから、渓流釣り愛好家の多くが中流域から上流域を目指すだろう。情報も集めやすくなった現代では、大型ヤマメ・アマゴの実績ポイントが公開されていたりもするので人が一カ所に集まることも考えられる。

前日泊からの入渓地点確保は当たり前なので、人気河川の深夜に車を止めていれば側道を上下するエンジン音にヘッドライトが賑やかで意外に眠れないことや、折角朝駆けに成功したポイントで釣れなかったからと場所を移動しても先行者が居たりする。

渓魚の活性よりもポイントを得るための釣り人との勝負だったりするのがこの時期でもある。

釣果を気にすることも無く、「マムシもハチもヒルもおらん」、「蜘蛛の巣もねぇ」、「葉っぱもねぇ」とこの時期の源流を心待ちにしている谷師は、解禁日の喧噪もどこ吹く風である。

とここまで書くと渓流釣り入門者の方々は、「面倒くさいから解禁から少し日をおいて入った方がよいかもなぁ…」と思うかもだが、それは少しばかり待ってほしい。

そう、解禁日から1~2週間は釣り場情報が満開となっていることにお気づきの方もいるだろう。車の留場、入渓地点、ポイントへの釣り座などなど現場での貴重な情報が山と積まれているのであり、こればかりはネットでも手に入らない。

入門者は釣り場の情報収集に走るべし!

趣味やスポーツに熟練してくると動きや行動は合理的になっていくのは当然で、渓流釣り愛好家も同様である。当然彼らは自身の実績と経験からポイントを選んでいるのである。
自身のネットワークから昨年の大物ヤマメやアマゴの実績ポイントに入っている可能性も高い。

何事も真似から入るのは大事な一手、入門者にとってこれ程の釣り場情報が入手できる日は少ないだろう。人気も実績も高い河川であれば、源流から下流まで各地のポイントに釣り人が花を咲かせてくれているのだから。

一応竿や仕掛け類は持っていくのもありだ。コミュ症でもなければ、素直に聞いてみるのもいいかもしれない。現場で揉めたりするのも経験かもしれないができれば避けたいものだし、前日泊や朝駆けしなくても良いのも利点。

1日をほぼ移動で棒に振るかもしれない可能性はあるが、出来るだけ広い範囲を偵察しておくことで、それ以上に入門者にとっては貴重な釣り場情報を得ることになるだろう。

記憶はあいまいになるので、できればしっかりメモを取ったり地図に印を付けておくのをお勧めしておきたい。

雪残りの川
九州でも雪が残る日もある

日々暖かくなるので、状況は一変する

前日までの寒さは一体何だったのだろうか? そう思うほど天候により暖かさを増す日があると、状況が一変するのも釣りアルアルだろうし、これは渓流釣りにも当てはまる。

ヤマメやアマゴ達は、初夏のようにバンバンと瀬に出て餌を追いかけるというほどではなくても、積極的に流れのある場所へと捕食活動をするように行動を変えていく。
ただ、個体差もあったりその日の状況も大きいので、流れの強さによる反応の違いに注意しておくのも大事。反応の多い流れの速度を認識して、同じような箇所を攻めることができるかが釣果の差となるだろう。

入門者の方が釣行するなら、出発の前日に先日のメモを開き入渓してみたい釣り場を確認、脳内演習をしておくとよい。最初の入渓個所が失敗に終わっても、次点の箇所を設定しておくのも大事なことだ。

渓流釣りの季節を知る

渓流釣りの対象魚となるヤマメ、アマゴ、イワナなどですが、季節が過ぎるごとに成長し色や姿形が変わり、捕食位置や行動も変わることがあります。そこで季節毎に指針となる情報を纏めてみましたので入門者の皆さまの参考になれば幸いです。

 解禁から春の渓流釣り
 GWから初夏の渓流釣り
 梅雨から盛夏の渓流釣り
 秋から禁漁への渓流釣り

また、渓流釣り入門に関する記事も以下の頁から確認できます。

渓流釣り入門者の方々に、エノハ達が微笑んでくれることを期待しています。

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