渓流釣りにある転倒の危険 事故に遭わないための行動を

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逸る心を試すかのような苔蒸した岩たちwww

初心者や入門者の方は、渓流釣りでは、「熊とか野生動物と出会うのが一番危険では?」なんて思うかもしれません。確かにそれはそれで危険なのですが、それは別頁にて記しておきます。

自身の行動によって起きる転倒、滑落、落石そして突然の豪雨やそれによる増水等々、これらは命に直結してきます。

登山やキャンプといったにアウトドアに少しでも親しんでいる方だとある程度危険性に想像がつくかもしれませんが、そうでない方は「杞憂だよね~^^;」と思いつつも頭の隅にでも入れておいてほしいと思います。

危険は多種にわたるのですが、まずは入渓場所を問わずに起き得る転倒について見てみましょう。
筆者自身も「あの時は真剣危なかった経験談」を交えた再確認をしつつ、これらの回避や行動について一緒に考えてまいります。

川や谷で起きる事故と危険

観光情報や渓谷のイメージ写真を眺めていると、自然の美しさや場合によっては神々しさを感じると思います。

そこには大きな岩や石が写っているはずですが、これが渓流事故の大きな原因です。
ツルツルだったり、浮石だったり、苔がむしていたり、上から落ちてきたりとまるで渓流で釣る人を試すかのように(笑!)

転倒は避けがたいものである。

おそらくだが渓流釣りをやっている人の中で、一度も転倒したことがないというのは至極稀だと思っている。
だからこそ、川遊びの経験がない人、川歩きに慣れていない初心者は特に危険だ。

特別な事例かと思うが、高知県の鏡川に後輩の釣り初心者と出かけたことがあり、彼は筆者の10mほど後ろ、膝程度の水深がある川の中を歩いていた。

突然彼が叫び声と水しぶきを上げて転倒したのである。
『やったかぁww』、そう思いつつ振り返ると体を起こす彼の姿についつい笑みを浮かべていた。
けれども彼は相当焦ったのだと思う、態勢が整わないまま足を載せた水中の石を踏み外したようで2度目の転倒。
『これは、いかれん』と筆者は彼のもとに向かおうとした。
見られた恥ずかしさもあったのだろうか、彼はますます焦ったようで意味不明の3度目の転倒…。

今から思えば、「こいつ、3度も同じ場所でこけたんでぇ」と笑えるのだが、周囲に岩が無く頭を打たなかったのは本当に運が良かったと思う。

また、釣ることに夢中な状況を思い描いてほしい。
ポイントに注意を払い、竿を振り込む位置を移そうと不注意に足を出した小岩は苔だらけだった…、また上流を目指そうと足を乗せた岩は浮石だった、筆者の経験です…。

当たり前のことだけど、

  • 水は自分の動きを制限するもの 
  • 岩に付いている苔は剥げるもの
  • 石は滑るもの、動くもの
  • 転倒しても頭部を打たぬよう、焦って次の行動を起こさぬよう

入門者や初心者の方には、ぜひ覚えておいていただきたい。

河原や水の中を歩くのは技術

山の中を歩く時には、「歩幅を小さく、踏み位置を確認しろよ」ということを古い山岳関係の先輩が筆者に教えてくれたことがある。疲れを少なくして、転倒や滑落を防ぐようにするためと聞かされたため、筆者は渓流釣行の時も常に意識している。

行き返りの林道や移動に、「歩幅を狭く、細かく刻みつつ足元を確認しつつ歩く」を意識していると体が覚えてくれる。釣りたい場所へ崖を下る、峡谷から出るために崖を登る時でも役に立つちょっとした技術だ。

また、水の中を歩いたり渡渉(川を渡る)する時は、行進などのように足を高く上げるのではなく、足を探る感じで前に出し踏み場を確認し一気に体重をかけない。
まぁ谷歩きに慣れてくれば自然にできていると思う。

ただ、渓流釣りは登山と大きく違うことがあり、釣り人は渓流魚を望んだ時にテンションが大きく上がってしまうのだww
大物ポイントが近づいた時や良型が竿に乗った時、当然ながら筆者もそのあたりで記憶を失くすことが多い…。
そこで、

  • 仕掛けを流したり、釣っている時は下手に動かない。
  • 移動時や仕掛けを投入する前に周囲の状況(移動する場合のルートや取り込み場所、枝の位置等)を確認しておく。
  • 仕方なく動くときは飛ばないw

こういった癖をつけておくと、少しは転倒や事故を防げるでしょう。

また登山にもある「ルーファン(ルートファインディング)」を渓流釣りの移動時に応用するのも安全に繋がります。特に大きな移動をする前に進行するべき道を目で追い、遠くても安全な道を行くのか、自分ならここは行けると挑戦するのか経験しながら覚えてほしいものです。

釣り上がる時のルーファン練習用
どう上がれば安全で、釣りやすいかを考えておく

この「ルーファン」は、へつりや崖を登る時また入渓・脱渓時の安全にも繋がります。

転倒しても被害を大きくしないために

転倒した場合を考えてみましょう。
頭部を打たずに意識があって最悪の状況は足を挫いたり、骨折等で動けなくなること。

  • 笛、警笛など音を大きく出せる物
  • 目立つ色の布や衣類

こういったものを持っておくことで、同行者や捜索者が見つけやすくなると思います。
これらは、小道具や装備類の話でも詳しく述べてみましょう。

それ以上つまり意識を失くした場合となると…、もう顔が水に浸かってないことを祈りましょう。
水の流れが強い場所だと意識がないまま水を飲み、何度となく頭を岩に打ち付けて下流へ流されると聞いてます。

登山の様に届け出があるわけではないので、家族や友人に行く場所やある程度の行程を話しておくのが保険となるかもしれません。

また釣り人ならではの問題があります、ちょっとした転倒時にやりがちな竿の骨折(?)やリール類の破損です。

釣り上がっている時(撮影や取り込み等を除いて)を想定します。
ちなみに両手を塞いで歩くのは想定以前の問題ですので気を付けましょう。
間違いなく竿と仕掛けを一緒にどちらかの手に持っているはずです。

まず効き手に限らず、自分が良く反応する手を覚えて(確認して)おきましょう。川以外でも、これまで自分が転倒した時に良く擦り剥いたりする方の手があると思います。
まぁ自分で気付いてなければ、大抵利き手が反応すると考えてください。
転倒時に竿が折れたり、リールが破損するのは転倒時に反応する手に持っていることが要因です。

そこで、その手を常に開けておくことで転倒にも対処がしやすいのは勿論、反対に竿を持っているので竿が下敷きになる可能性がぐっと減ります。
ルアー竿やフライ竿の場合は、これでほぼ下敷きにならないと思います。

まぁ竿を下敷きにした方が怪我をしないとか、利き手が大けがしないって考え方もありますので、好みで選択してください。

ただしのべ竿の場合はもう一つ注意事項、「仕掛けを張ったまま移動しない」があります。

仕掛け糸を指に持ち、張った状態で移動する人が結構いるように思ってます。
これだと折角反応する手と反対に持っても、転倒した瞬間に力が入ると間違いなく穂先~2番あたりが折れますので、竿を詰めて(短くして)仕掛けを気持ち緩めておくと回避できることがあります。

転倒時の危険性の終わりに

危険について一頁では纏めるのが難しく滑落や対人における危険や事故については、次頁以降にしたいと思います。

終わりになりますが、危険関連の解説で脅しているわけではありません。
現実に雑誌等で著名だった方や筆者仲間内の知り合いは亡くなっております。

勿論釣りだけでなく関係の深い沢登りでも同様で、渓流歴が長くなればどこかの谷や川で毎年亡くなっている方を耳にするはずです。

渓流釣りの行動は「胆大心小」を心掛け、勇気ある撤退を選択できることも大事な腕の内かと思っています。

渓流釣り入門 トラブルに関連する頁

渓流釣りの入門者や初心者の方は、トラブル対策のためにも上記各頁を参考にしていただけると幸いです。

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