梅雨から盛夏の渓流釣り 水位と湧水が大事

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梅雨と盛夏の時期は、ある意味で真反対の渓流釣りを強いられるともいえる。

梅雨の雨はジトジトと続き茶褐色となって川を流れ下り、いつもの釣り座は水位も上がって川底となる。
平水以下から少しの増水ならば渓魚の活性も上げスレも薄めるので渓流釣り愛好家にとっては嬉しいものであるが、笹濁りならまだしも泥濁りの状況では釣りにはならない。
釣りにならないどころか、西日本の各地では毎年のように水害が起こり大きな被害をもたらしているが、釣りをするのをためらわせる状況にもなりかねない時期である。

一方で梅雨の上がった盛夏の好天は渇水を呼ぶ。GWよりも盛夏の時期の渇水の方が気温が高い分水温も上がりやすく、ヤマメやアマゴ等の渓魚達に与える影響は大で、彼らの警戒心は増し釣果は大きく減じてしまう。
それでも外気温が高い分、冷たい渓流の水を気持ちよく感じられるのだけは渓流釣り愛好家の役得かもしれない。

水が多すぎて困る梅雨、水が無さ過ぎて困る盛夏。
そんな時期の渓流釣りをみていこう。

梅雨と盛夏の影響と釣り場選択

渓流釣りに行きたくても行けない雨続きの梅雨。
行っても渓魚達が全く振り向いてくれない盛夏。

天候の影響だけは、正直なところ「日乞い(晴乞い)」に「雨乞い」でもするしかないのだが、それを理解していても「川へ谷へ」と行ってしまう渓流釣り愛好家につける薬はあるのだろうか?

実はGWが終わり梅雨へと入ろうとする頃は全国各河川の「鮎釣りの解禁」とも重なっている。ヤマメやアマゴ達渓魚と鮎この二本立てという釣り人は多く、入渓者はこれまでよりも薄くなる。
まぁそれでも本流釣りは鮎友釣りのポイントと重なることが多いので、鮎マニアに追われた渓流釣り愛好家が上へと集まることになるのは痛し痒しかもしれないが…。

梅雨から盛夏というこのような時期に入門者が釣果を上げるためには、ポイント理解と湧水のある釣り場選択が重要かと思う。

アマメちゃん
アマメちゃん

補足~!
3月末~梅雨頃にかけてなんだけど、
昨年の秋に産まれた子たちや2年目を迎えた子たちが元気良くなる頃。
ちょうど数釣りを楽しめるチャンスだから、
入門者の皆さまにも期待は持てる♪ はずですお^^

梅雨の小雨は狙い時! だが注意も必要

梅雨の季節、川の水位が平水前後~気持ち増水、水の透明度も普段と変わらないような時。
このようなタイミングで小雨がシトシトと降っている時は、ヤマメやアマゴの数釣りが期待できるチャンスである。
当然ながら笹濁りくらいまで願ったり叶ったりとなる。

勿論だが濡れることは前提なので、雨合羽類の準備はしっかりと。

アマゴ良型
梅雨の大水後、朝マズメの良型アマゴ

ただし、雨が降り続いて泥濁り、その上平水より50cm以上の状況では入渓自体が危険となる。折角の休日がお流れになるなんてことは、この時期仕方のないこととはいえ少し哀しい。
その上に大水が出て被害が出た個所などに顔を出すのも少し申し訳ないので、別の支流や川に向かうことになったりもする。

つまり、梅雨の時期から渓流釣りをしていく中で、天気予報と川の水位情報の確認が渓流釣りでは最も大切な時期となる。
まぁ渓流釣りに出発前は、季節に限らず確認しておくのはとっても大事。

日本気象協会のtenki.jpyahoo等のサイトで釣行予定日の天気予報を確認。

yahooでは河川水位情報もあるけれど、これは防災がメインなので変化や現況が分かりにくい。
そこで、「国土交通省が運営する「川の情報」が水位とその変化を知ることができ至極便利で使いやすいのでオススメだ。

特に最近ではゲリラ豪雨や線状降水帯などという言葉も聞かれる通り、梅雨時期以外でも急激な降雨が川遊びを楽しむ人に大きな危険を及ぼすため、入渓する際には注意が必要と思う。

※増水に関する危険性については以下の頁をご参考ください。

雨天が予想される時期に渓流釣行が可能か不可能かは、自身の経験と入渓河川の把握が必要となる。

開発が進む昨今では全国的にも減っていると思うが、流域の山の自然林が豊かで湧水がしっかりしている川などの条件が合えば、多少の雨が降り続いたぐらいでは濁りも水位の大きな変化もなく渓流釣りが可能となる川や支流はあります。
こういった河川や支流を自分なりに探しておくのも大事なことでしょう。

梅雨時期のチャンスを逃さず楽しい渓流釣行にするには、安全性を確認し釣果を上げるために事前情報を集めていただきたい。

盛夏の渇水。夏ヤマメは一里一匹

盛夏の渓流釣りは、渇水による釣り辛さと日中の暑さとの戦いになる。

開けた里川を釣り上がった釣友が良く嘆く、「ウェーダーの中が気持ちわりぃぃぃっすよぉ、グスン」とw

足回りに関しては、中から上流域ではタイツ系が安心できるし、源流域では作業ズボンに鮎足袋やウェーディングシューズそしてスパッツを組み合わせるのが蒸れ対策となる。

上着に関しては安全面からも長袖着用が基本。
まぁ半パン半袖でも楽しめるような釣り場もあるけれどそんな場面は例外と思ってほしい。

装備は暑さ対策ができても、盛夏の渇水期の頃には解禁から半年近く日々渓流釣り愛好家が仕掛けを振っているために渓魚達のストレスに警戒心は最大級。
雨が降らないものだから水位が下がり水温も上がると、冷水性の彼らの行動も鈍くなるという物。

「夏ヤマメは一里一匹」

という言葉の通り本当に渓魚達とであうのが難しくなっている。

鮎釣りでもこの時期に言われるのが「土用隠れ」という言葉で、夏の土用の水温が高い期間、鮎が深場に移動して釣れなくなることをいうもの。
「夏の土用」はヤマメやアマゴにも言える。

小戸名渓谷
盛夏の谷 小戸名渓谷(長野県根羽村)

特効薬は雨しかないのだが、都合よく降ってこない天を恨めしい目で見つめるしかない。

釣果を上げるためには、やはり釣り場を見る目を養うことが大切。
入門者の方は次の点をヒントに、釣行して経験を積んでほしい。

  1. 朝夕のマズメ(涼しいため)時を逃さない
  2. 水流の活きているポイントや深みを探る
  3. 早めにポイントを見切り先へ進む
  4. 支流との合流部周辺を狙う
  5. 支流を釣り場に変更する

これは盛夏の渇水期に筆者が心がけていることなので、具体的に釣りに行った状況で釣果の無い折々を考えてみよう。

朝マズメで駄目だった。
 ↓
尻よりも頭の白泡が切れる周辺の底、落ち込み直下の底石の頭を中心に狙う。
 ↓
駄目でも繰り返しつつ、流芯、肩、巻き返しの底等、他箇所の反応も探ってみる。
 ↓
一つのポイントでダラダラと流し続けたり誘い続けても、ヤマメやアマゴを追い込むだけであまり良いことはないと考えているので、早めに見切りつつ上を目指す。
 ↓
支流との合流部に到着、大きく期待する。
 ↓
駄目ならその筋を諦めて、合流点の支流側に移る。
 ↓
支流側も駄目なら、入渓河川を諦めて夕マズメに備えて移動する河川を考える。
 ↓
移動した夕マズメも駄目だったので、帰宅してお祈りする。

これにエサやルアーの交換だったりが加わるのだけれど、まぁ渇水期の渓流釣りの実態かと…。

さて、川の水位や水温に渓魚の活性を維持するのに最も貴重な鍵は、一年を通して「湧水」と言えるだろう。
「どんな湧水が良いのか?」という点に応えるのは難しいのだけれど、湧水がしっかりしている川やポイントの底に湧水が多い個所などを狙い目として挙げておこう。

渇水期に大雨後の増水に湧水と夕マズメの狙いが嵌ると、こんなエノハと出会えるかもしれない^^

尺エノハ
渇水から大雨後の白泡周辺にての尺エノハ

盛夏の渇水期における渓流釣りは、GWの人出を解きほぐす雨よりも貴重な場合が多いように思われる。
特に最近では台風の発生が早くなっているので、危険は避けつつも増水のタイミングと休日が合うことを祈っておきます。

天気予報と釣行河川水位を確認し、装備に暑さ対策を施してチャンスを逃さないよう、夏のヤマメやアマゴ達に出会っていただきたい。

渓流釣りの季節を知る

渓流釣りの対象魚となるヤマメ、アマゴ、イワナなどですが、季節が過ぎるごとに成長し色や姿形が変わり、捕食位置や行動も変わることがあります。そこで季節毎に指針となる情報を纏めてみましたので入門者の皆さまの参考になれば幸いです。

 解禁から春の渓流釣り
 GWから初夏の渓流釣り
 梅雨から盛夏の渓流釣り
 秋から禁漁への渓流釣り

また、渓流釣り入門に関する記事も以下の頁から確認できます。

読者の皆さまにエノハ達が微笑んでくれることを期待しています。

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