ヤマメとアマゴの釣り場となる川を知っておこう 源流部~下流部の特徴

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源流から下流域 渓流釣り入門
四万十川にて

渓流釣りをしたい入門者が住んでいる日本の川は、島国ということもあって勾配が激しいことが知られている。

その流れの特徴は、源流域ほど段差が大きく荒瀬に滝が続き場所によっては廊下と呼ばれる切り立った岩肌の底を下り、上流域から中流域にかけては渕と瀬を交互に連ねながら次第に緩やかさを見せはじめ、下流域にてゆったりとした流れとなる。

そのため、アマゴ、ヤマメ、イワナに降海型のサツキマス、サクラマス、アメマスなども渓流釣りの対象魚をトラウト類と考えれば、河川の全域が釣り場となるといっても間違いではなく、餌釣りをはじめルアー、フライ、テンカラなどの釣り方がある。

河川の流程や規模にもよるし渓流釣りという特殊な事情もあるため、一般的な概念としての上・中・下流域などとは合わない部分があり、川の大きさや流れの強さに渓流魚のサイズによって釣るための仕掛けは変わるし、個人的な嗜好によって選択する釣り場となる流域も変わってくる。

そこで、源流部~下流部の特徴と川の流れ方のタイプを紹介し、どんな釣り場を自分が求めているのかの参考にしていただきたいと思う。

ヤマメやアマゴの釣り場となる源~下流域の特徴と実践

渓流釣りで云うところの源~下流域の説明の為に、九州を代表する渓流釣り河川の一つ五ヶ瀬川の鳥観図を例としてとりあげてみよう。

五ヶ瀬川鳥観図
図① 五ヶ瀬川水系鳥観図

図①左上の木浦山周辺から阿蘇外輪山の東南部をかすめ、国道218号線沿いに延岡市内へと流れ下るのが五ヶ瀬川の本流筋である。五ヶ瀬川で渓流釣り場となるのは、細見川合流部あたりから上流の本流筋及び各支流というのがかなり正確な言い方だと思う。

川の上流に行けば釣れる印象を持っているだろう入門者の方は「こんなに下流からヤマメやアマゴが釣れるのか?」と疑問に思うかもしれないが、これは漁協の放流努力によるものでもある事は記しておきたい。

もちろんのことながら適当に入っても釣れないし、中途半端に上流へと上がっても釣れないことも多いのだが…。

さて、ヤマメやアマゴの釣り場となる流域の比較として、五ヶ瀬川より北に位置する大分川の鳥観図もご覧いただきたい。

大分川水系全図
図② 大分川水系全図

大分川は図②右側の福万山と由布岳の間の白滝川が源頭部に当たるが、由布院温泉街を抜け別府市を大きく迂回するように支流を集めて大分市外へと流れ下っている。五ヶ瀬川と違って、本流筋でアマゴ釣りが可能となるのは由布院温泉周辺、つまり本流筋でみるとかなり上流部からとなっている事が理解できるだろう。

五ヶ瀬川と大分川の比較から分かるように、川によって源流部から上流部のどこが釣り場となるかは各河川が持っている色んな要因(流程の長さの違い、周囲の自然環境、放流状況他)によって変わることを知っておいてほしい。

同様の状況は本流筋に注ぎ込む各支流にも言え、細見川、綱の瀬川、阿蘇野川、七瀬川など両河川の支流も合流点から釣り場があるところもあれば、源流付近にまで行かなければ釣れないところもあったりする。

未入渓の各河川でヤマメやアマゴに会うためには、事前の情報収集を頑張る、慣れによる経験に頼る、行きあたりばったりで入渓してみるという方法しか思いつかないし、筆者もそうやってポイントを開拓していった。

では本流筋及び源流から下流部までの渓流釣り場を概観したところで、各流域の特徴を見ていこう。

※五ヶ瀬川と大分川の渓流釣りとヤマメやアマゴについては下記の頁でそれぞれ紹介していますのでご参考ください。

源流域から上流域は、山釣り・源流釣りの世界

渓流釣りの入門者及び一般的な人々の持つその印象は、山々に囲まれた谷合に流れる自然豊かな清流を釣るという印象があるだろうし、そんなイメージに代表されるのが上流域及び源流域における釣り場だ。

滝や落ち込みが連続し、ゴーロに釜や廊下を形成しながら急な流れを持つ箇所である。ヤマメやアマゴが川毎の特徴を見せる事が多く、筆者もその姿に魅せられている。ただし、釣れるヤマメ・アマゴのサイズは小さいものが多くなる。

大分川源流部
大分県大分川の源流部

釣り方云々よりも、とにかく川を歩き岩を越える技術取得が先決であり、渓流釣りでは最も事故の危険性が高い釣り場と言える。装備に対する考え方も必要なのは、藪に阻まれてはタモを落し、木に仕掛けを獲られては竿が折ると予備がなければ入渓地点にもどるしかなかったりした経験にもよる。

渓流釣りの入門者ならば、安全に入渓がしやすい落差が少ない釣り場から挑戦してみるのが良いだろう。ただし、源流から上流域にかけての釣り場の大敵は「木の枝」であるため、仕掛けの予備を十分に持ち交換作業の練習をしておこう。

中部から東日本にかけては、源頭標高自体が高く釣り場の標高が高いところが増える。そんな山岳地帯を中心にテントにて二泊以上の行程で源流を目指すのだが、15から20kg以上のザックを担いで初日や最終日は歩き通しになるなど、基本的に山屋との兼業でもある。

西日本に多い源頭標高が低い川の場合は、里川からいきなり渓相がかわって源流域となる場合もある。また、標高の高低に関わらず泳ぎを強制されるような個所もあるので、沢登りの経験が必要な川もある。

さて、渓流釣りを安全に楽しんでほしいという理由から面倒なことを記してきたが、筆者も始めた頃はあまり深く(正確には何も)考えずに川の源流へと突撃していったので、入門者の方もまずは『源流釣り』を体験してほしい。

中流域から上流域は、入門者に優しい渓流釣りの釣り場

渓流釣りの入門者に最もお勧めなのが、この中流域から上流域でのヤマメ・アマゴ釣りである。

五ヶ瀬川水系の支流
宮崎県五ヶ瀬川の支流

川の落差が少し緩やかとなり、落ち込み、瀬、渕などの間隔が広がるために釣りやすくなっている。渓流釣りとしても分かりやすいとも言えるポイントが連続し、トラブルを含めて渓流釣りの大部分がここで体験できるだろう。集落などが周りにある場合も多く、里川などと呼ばれることもある。

耳川水系支流
宮崎県耳川の支流

開けた場所が多く竿が振りやすい上、昨今ではヤマメやアマゴの放流数が最も多い流域であり、入門者でも釣果が期待ができるだろう。釣れるヤマメやアマゴ達も写真や動画で見たような魚体が中心であり、エサ、ルアー、テンカラ、フライなどの釣り方を問わず初めての一匹を釣れるチャンスが高いので、その嬉しさに浸ってほしい。

ただし入りやすく釣りやすいという事は人が多く集まる場所であり、ヤマメやアマゴが最もスレやすい釣り場とも言え、集落や田畑や作業場の周辺であるため駐車場などに気を配らないといけないのも注意点だ。

下流域から中流域、今人気の本流釣りフィールド

流域の支流から水を多く集め、段差もなく川幅も広くゆったりとした流れが特徴である。長い瀬続いた後の大きく曲がった渕や各支流部との合流点(出会い、落合いなどという)などが代表的な本流釣りポイントと言えるだろう。

本流や本流釣りと呼ばれている釣り場所であり、餌釣りだけでなくルアーやフライ、テンカラなどでも同様の意味を持っている。日本海側を中心に河口から下流域を中心に遡上するサクラマスを狙える河川もある。

長良川水系支流
長良川水系支流 郡上八幡

釣れる渓流魚のサイズも大きくなり尺から上が狙いとなるためもあってか、昨今は人気の釣り場と言える。ただし下流になるほどヤマメやアマゴのパーマークも薄くなり銀色を帯びた魚体が多くなり、川毎にある色や魚体の特徴は薄くなるのは仕方ないところだろう。

上流から源流域に比べても釣り場に入り(入渓)しやすい上、上流からの急な増水(ダムの放流等)などで流されたり、浮石を踏んでの転倒に注意をしておけば危険は少ない。また、川幅が広いので竿の取り回しが楽で仕掛けが木にかかったりなどということもないので気分も楽になるはずだ。

ただし「本流釣り」は、ルアーやフライの渓流釣り入門者のキャスティング練習などには良いところだと云えるが、入門者が釣果を出すにはポイントが分かりにくいのでお勧めできない。特にのべ竿の釣り(エサやテンカラ)の場合、長い竿や仕掛けを振り込むだけで一苦労するはずで、振りやすい長さの竿だと仕掛けがポイントまで届かない事が多い。

そして河川ごとに大きく状況が変わり、釣れるポイントと釣れないポイントがはっきりと分かれてしまうのも渓流釣りの入門者には優しくはない。釣行河川に詳しい釣友などと一緒に行くのをお勧めしておきたい。

「釣り場と渓流の基礎知識」の関連頁

渓流釣りで代表的な釣り場となる瀬、渕、落ち込み他に現場の基礎知識を確認し、ヤマメとアマゴを釣るための準備をしておこう。

源流部から下流部にかけて広がるのは、瀬、渕、落ち込み、滝、トロ場、止水域だけでなくゴーロ、ゴルジュ、釜、ナメなどといった特殊な地形、そして堰堤、ダム、テトラポッドなどという人工物などが釣り場に立った渓流釣り入門者の前に現れることでしょう。

まずは以下の関連頁にて基礎知識を養い、釣行・入渓に備えてください。

  1.  ヤマメとアマゴの釣り場となる 源流部~下流部の特徴
  2.  渓流釣り場を構成する瀬、渕、滝他を知ろう
  3.  渓流の基本も攻略も落ち込みから
  4.  渓流釣り場を構成するポイントの名称

また、渓流釣り入門に関する記事も以下の頁から確認できます。

読者の皆さまにエノハ達が微笑んでくれることを期待しています。

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