GWから初夏の渓流釣り 瀬とスレが鍵

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GWから初夏にかけて新緑は目に痛いと思えるほどに日々深みを増していくように感じられる。

里川の農道から見える田には水が張られてゆき、川沿いには美しい花や飛び交う虫も増えて自然の脈動を感じられるのが心地よい。早朝の釣り場に着いても寒さを感じることはなく、林道を歩く空気が顔を優しく撫でてくれる。

川の中では水生昆虫たちが盛んに羽化を始める姿も見られるようになり、渓流魚たちもそれを追うように流れの中へと身を移して積極的に捕食するようになる。
食事と運動のバランスが取れたヤマメやアマゴ達は、冬のサビを落して見事な体型を身にまとい針がかりすると一気に走り竿をしならせる。

全国的に見ればGW前後にも雪代の影響が残る河川もあるが、渓魚達が本調子を取り戻すこの頃から梅雨に入るまでに渓流釣りは盛期を迎えると言えるだろう。

GWはスレ、初夏は瀬釣り

渓流釣り入門者の方々が本調子を取り戻したヤマメやアマゴなどの渓流魚を釣るために、GWから初夏の時期に抑えておいてほしいポイントが幾つかある。

① 瀬を徹底的に狙う!
② 水量の安定している川へ行く
③ GWは魚をスレさせる

これらの3点について個別に見ることにしよう。

瀬を徹底的に狙う!

ヤマメやアマゴといった渓流魚が最も捕食の対象としているものは水生昆虫であり、次点が陸生昆虫類だ。

GWから初夏にかけて水生昆虫がその羽化する姿(羽虫)を良くみかけるようになるはずで、川の中にある頭を出した石の水際にはカゲロウ類がびっしりと張り付いていたりする。

これらの羽虫は落ち込みや瀬の流れに巻き込まれて流れの中層や底層まで届くこともあるが、基本的には表層から上層を流れてゆく。それを狙ってヤマメやアマゴ達が水面で捕食するのをライズと呼ぶのだが、流れがしっかりとして浅いために捕食のしやすい平瀬、ザラ瀬、荒瀬などの箇所に良型の渓魚が入ることが多くみられる。

※瀬や渕等、地形の名称はこちらのページをご参考ください。

渓流釣りでは瀬の表層の流れを狙いやすい毛ばり釣りが最も輝く時間とも言えるだろう。
そのため昔ながらに毛ばりが盛んだった河川や地域によっては、「4月頃に毛ばり釣り禁止」といった規定を設けているところもある。ただこれはヤマメやアマゴ達がメインではなく、ハヤ類も含めてのこと。

平瀬から深瀬にてライズが盛んな場合は、エサとルアーでは全く勝負にならないこともある。
反応が無ければポイントを見切るのも大事。ザラ瀬や渕や落ち込みからのポイントにも勿論ながら積極的なヤマメやアマゴ達が居るので、移動しながら渓魚の反応を探っていこう。

GWから梅雨を挟んだ夏までの間は渓流の最盛期と言え、瀬に出ているヤマメやアマゴをどう攻略できるかが釣果に大きな差をつける事となるので、入門者の方は積極的に瀬を攻めていこう

アマメちゃん
アマメちゃん

暖かくなるとサイズはともかく、みんな元気になってるからね!
流れのある所やその強弱を意識して釣ってみるのが大事だお。
タイミングが良いと数釣りチャンスのアリ♪

水量の安定している川へ行く

新緑と滝のコントラスト
渓谷の側壁には滝がかかることもある

水量が安定している河川や釣り場を選ぶことが、釣り方を問わず渓流釣りの釣果を上げるのに何よりも大切。

GWから初夏の間というのは、河川の本流筋や大きな支流では渇水となることが良くある。これには梅雨前で雨が降っていない場合と田んぼに水を引いている場合の2つの理由があることを入門者の方は覚えておこう。

水量が減ると川虫の生育も悪くなり渓魚達の捕食量は減る、そして水温も上がるので冷水性である渓魚達の行動も鈍ってしまう。つまりそんな状況の釣り場ではほとんど釣れなくなるのだ。

現場でできることは少なく、何とか釣りになりそうなポイントを求めて上がってみるか、同水系の別の支流に上ってみる位で、後は大きく川を変える位しかない。

期待としては雨後の増水という事になるが、基本的には神頼みとなる。

それでも、増水の効果は劇的で渓魚達は一気に活性化する。
適水温に落ち着いたヤマメやアマゴ達は、山肌や田畑から落ちてきた捕食可能な生物を盛んに捕食し始める。羽化前の川虫、アリ、バッタ、ミミズ、甲虫類等々、選び放題の食材が目の前に並ぶわけだから興奮しない方がおかしい。

釣行前の数日、「災害を起こさない程度の雨が降ってくれ!」と切に願うようになると一人前の渓流釣り愛好家の出来上がりである。

入門者がチェックしておくべきは、GWを前後して小鮎の遡上が始まることである。
大型となったヤマメやアマゴ達は魚食性が高まり積極的に小鮎を狙う個体も多く、こういった個体を最も狙いやすいのがミノーを使ったルアー釣りだ。水量が戻った箇所や、雨後の増水などの機会に恵まれれば一発大物の期待が持てる。

GWは魚をスレさせる

解禁日の喧騒から一旦落ち着きを見せる各河川の渓流釣り場。
山肌には新緑が目立つようになり釣り人を優し気に迎えてくれるのだが、似たような狙いの釣り人も入渓地点で迎えてくれるようにもなる。

そう、GWはもう一つの解禁日とも言えるのである。

大型連休という事もあって人気河川の好ポイントでは葦の生い茂る川原に人が倒してできた道ができるほどの人出。
蜘蛛の巣が生えていそうな個所でも引っかかる事のない仕掛け。
対岸の木の枝に見事に咲いた目印の花の咲き乱れ。
GWまでに願った雨も降ってくれずに、川底の小石を晒している流れだったはずの場所。

渇水気味で釣れない上に移動すらし辛い二重苦となるのが、GWから初夏の渓流釣りの姿でもある。

折角の休みとだからと出かけた挙句は、無理やり釣るしかないのが人の性。

ヤマメやアマゴ達にしてみればエサは流れてこない上に水温は高く動くのすら億劫なところに、川原では岩がコロコロと落ちる音が響き捕食できそうな地点も騒がしい。

毎日朝から晩までそれが繰り返されれば、魚達でなくてもじっとしておきたくなるものだろう。

まぁこれが妄想も加えた、GW期間にみられそうな渓魚達のスレの状況だ。
そんなスレたヤマメやアマゴ達に出会うには、流れの強弱のある個所を中心に渕や落ち込みを目指して釣っていくしかないだろう。あとできることは一つしかない、雨乞いの神頼みだ。

解禁日に収集したポイントメモがあるならば、あちこち試してみると河川の違った姿が見えてきて新たな攻略ポイントの発見につながることもある。
釣り人の人数とヤマメやアマゴ達のスレの状況であれば、何度も入ったポイントは見切っても惜しくは無く、積極的に違うポイントを知っておくことが今後につながるはずだ。

エノハ 渇水の中貴重な一匹
GWを前に渇水の支沢にてのエノハ

また、この期間は農作業が一つのピークを迎えていることも知っておいてほしい。
稲作では田起こし、代掻き、畔塗りから水を張りをし苗を植えていく作業がこの季節には行われているが、兼業の休みにあたるGW前後に集中して行う農家も多い。

渓流釣りに行ったときに、作業に差し障りのありそうな個所に車を止め、折角作った田の畔を壊すように歩いたり、私有地を大手を振って歩く等々の行為をしていると地元の人の怒りを買いやすくなるので、挨拶や声掛けをして顔つなぎをしておくのは地元情報の入手機会でもあるので積極的にしておくほうが良いと思っている。

渓流釣りの季節を知る

渓流釣りの対象魚となるヤマメ、アマゴ、イワナなどですが、季節が過ぎるごとに成長し色や姿形が変わり、捕食位置や行動も変わることがあります。そこで季節毎に指針となる情報を纏めてみましたので入門者の皆さまの参考になれば幸いです。

 解禁から春の渓流釣り
 GWから初夏の渓流釣り
 梅雨から盛夏の渓流釣り
 秋から禁漁への渓流釣り

また、渓流釣り入門に関する記事も以下の頁から確認できます。

読者の皆さまに、GWから初夏のエノハ達が微笑んでくれることを期待しています。

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