祝子川水系の概要
祝子川(ほおりがわ)は、宮崎県の県北大崩山、五葉山、鹿納山の流れを集める。一級河川五ヶ瀬川の支流で河口で合流し日向灘へと注ぐ。 川原には花崗岩の巨石が点在し、清らかな流れが縫うように流れ下る景観美に溢れる渓谷が形作られている。四季を通して変化する風景は、大崩山南西面を流れる鹿川(ししがわ)渓谷とともに九州を代表する絶景といえる。また、祝子川水系上から源流部は、モミ・ツガ・ナラ等の原生林やササユリ、モウソウキンメイチク(天然記念物)、またニホンカモシカ(特別天然記念物)などがみられる自然の宝庫といえる。
大崩山 参考:みやざき観光情報 旬ナビ
源流に鎮座する大崩山(おおくえやま、標高1,644m)、この山を忘れてはいけないだろう。祖母・傾国定公園の一部であり、花崗岩で形成された雄大で険しく美しい名峰。春のアケボノツツジや夏の新緑、秋の紅葉、冬には雪に氷と四季折々に景を誇る。登山ブームもあってか知名度・人気ともに高く祝祭日ともなると登山口には車がずらりと並ぶ。地元ではダキを意味する岩壁群が作る象徴的小ピークと共に、山の景色に見とれることだろう。
ただし多少の川歩きができるから、登山に少しは親しんだ位の初心者は頂へと登るのを止めておいたほうが良い。連続する梯子とロープ、足のすくむ高さ、ルート確認、三点支持など北アルプスの核心部並の難易度という人も居るため、経験のある方との同行をオススメ。釣りと登山を合わせて事故が多いのが、地元の方の悩みともなっている。
祝子川・北川水系全図
※地図は北川と共通。難読地名 行縢(むかばき)山、可愛(えの)岳、大崩(おおくえ)山
祝子川の渓流釣りと周辺施設
最後の秘境ともいえる大崩山から一気に流れ下る祝子川は、美渓とスラブにナメや大きな岩が特筆できる川である。祝子川はホオリの神話に由来(下記参照)する通り、秘境且つ幻想的な渓でもある。圧倒的な大岩の中を峻烈に下る清流は、渓に立つものを幽玄の世界に誘うといっても言い過ぎではないだろう。
渓流釣りではナメ育ちの美しいヤマメが狙える。魚影は特に濃いとは言えないが、本流筋を中心に逃れたニジマスが尺越えになったものも居るので、いきなりのヒットに驚かされるかもしれない。九州の渓流好きなら釣ってみたい川であろうためか、入渓者自体は秘境という割に多い。 ただし大岩やナメが多いために危険な個所は多く、数年に1度は死傷者を聞く。大崩山の登山と合わせて充分以上に注意が必要な川。
美人の湯 参考:みやざき観光情報 旬ナビ
祝子川・大崩山へと行くにはルートは2つ。大分市周辺からR10・R327号を南下し北川ダムを過ぎて下赤祝子川線へと右折するか、宮崎方面から(全通した東九州自動車道の延岡IC利用含め)R10号北進祝子橋手前を県道207号岩戸延岡線に左折(バイパスからは中の瀬町交差点から旧道へ)というルートもの。ただ、どちらも狭隘路が多く通行規制がかかる場合もあるため要注意。なお下赤祝子川線は改修工事が進み以前よりもかなり時間が短くなっている。
県道207号沿いの中流域では、子供づれで川遊びや鮎獲りという楽しみもある。 登山、渓流釣り、観光の基地となる祝子川温泉美人の湯があり、食事に温泉と癒されて欲しい。これより1kmほど上流にはニジマスの常設釣り場があり足場も良く、ニジマスも綺麗で家族でも楽しめ、約4kmの地点が大崩山の上祝子登山口となる。
神話と祝子川の由来
この珍しい漢字で表現される祝子川の由来は、ホオリが生まれた時に産湯として使った川として伝えられている。ホオリとは、ホオリノミコト(火遠理命)のことであり、別名を天津日高日子穂穂手見命(あまつひこひこほほでみ)、日子穂穂手見命(ひこほほでみ)などとも呼ばれ、日本神話に登場する神である。山幸彦と海幸彦の説話に山幸彦(やまさちひこ)の名で登場する神という方が分かりやすいかもしれない。神武天皇の祖父にあたる。
上祝子地域では、ホオリが田の神であることから流域には雀が生息していないと伝えている。
祝子川の釣り場
祝子川のヤマメ
ヤマメを釣るなら祝子川ダムより上流部が基本的な狙いとなる。ダム下の本流筋はそこまでの情報を持たないが、差し込んでくる支谷は多くメインの渓流釣り場としても土日の逃げ場用としても開拓して損はしないだろう。ただしヒル谷、ハチ谷といったところもあり心構えと対策は忘れずに。
祝子川渓谷 参考:みやざき観光情報 旬ナビ
ダム上は全て渓流釣りポイントと言ってよい。ただ、五ヶ瀬川、小丸川、耳川といったまでの魚影の濃さはもちろんない。 初心者や大型狙いならダムのインレット(旧小学校跡地)付近から、ニジマス釣り場の流域を外した本流筋が安全でよいだろう。場所を見極めながら、7~8mの本流竿を振り回すのも良し、短竿でテンポ良く数・型が楽しめるだろう。といっても大岩やナメは多いので足回りには常に注意を。
支谷も数多く点在しており、濃淡は別にしてどこでもヤマメを狙うことができる。初心者でも充分以上に釣果、遡行を楽しめる谷もあるので、通って一谷づつ潰しているうちに遡行と釣りの技術が上がるのがわかるはず。初めての場合、危険そうな箇所に出会ったならば、無理せず転進したほうが間違いなく安全だ。 キャパから谷名なども挙げないが、華も実もあるヤマメが狙えるオススメの河川だと思っている。
祝子川のヤマメ
以前から大分ナンバーの車を中心に、漁券を持ってない密漁者(集団)が地元・釣り人より数多く報告されています。谷深く危険な箇所も多いので監視もままならない為でありますが、釣り場とエノハ保全の為にも購入をお願いいたします。
また山の奥深くになりますので、あまり正義感を発揮されると逆にスズメバチ同程度から以上に危険ですのでご注意ください。
祝子川および宮崎県内の河川と渓流釣り情報
エノハ亭内では宮崎県内の渓流釣り河川情報を、トラウト解禁情報は淡水釣り場手引にて下記の頁に掲載しております。釣行の参考になれば幸いです。
- 五ヶ瀬川
- 北川
- 祝子川
- 宮崎県の渓流釣り・トラウト解禁情報(淡水釣り場手引)
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