北川の渓流釣りとヤマメ 附水系全図

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北川の渓流釣り

北川水系の概要

北川の幹川流路延長は51.3km、流域面積573.5平方km、源頭は三国峠付近で、延岡港で合流する一級河川五ヶ瀬川最大の支流である。 傾山から流れる峻嶮な流れと緩やかな小川の流れの2つの顔を併せ持つ。各支谷の短い流れは高低差がしっかりとあり手軽な遡行が楽しめる箇所ある。北川ダムからはゆったりとくねりながら大分・宮崎の県境から延岡港の北側へと下っていく。
蛇行する流れ方だけでなく、宮崎県北~大分県南にかけての独自の川漁体系や沈下橋などの風景も日本最後の清流と呼ばれる四万十川を髣髴とさせる。

三国峠から流れる田代川、見明(みあかり)峠方面からの市園川と傾山方面から長渕川、西山川と合流した中岳川の水が北川ダムで一つとなる。ダムより少し下流から大分と宮崎の県境となり、夏木山方面を源流とする桑原川と出会い小さな支流を集めながらR326号線とともにゆるりと下り、JR日豊本線の北川駅より下流で、鐙(あぶみ川)をあわせた支流の小川と合流し北川の本流となる。季節と水況によってダム下が淀んでしまうのを除けば、全体の水は清く美しい。

下流域のゆったり蛇行する流れ、沈み橋、川の表情。また水の清らかさと大らかな自然環境は九州の四万十川と呼ぶに相応しい。また、家族での川遊びにももってこいの川で、元気な子どもたちには木々からの木漏れ日と川の流れがあれば十分なはず。釣りのみでなく、北川の川辺はお弁当を持ってお出かけってのが本当に似合う素敵な場所だ。

北川の渓流釣りと周辺施設

北川と祝子川の地図

※地図中の難読地名 行縢(むかばき)山、可愛(えの)岳、大崩(おおくえ)山

北川で渓流釣りする場合の狙いはエノハと呼ばれるヤマメとなるが、県境で漁協の管轄が変わることにまず注意。河口域でスズキ・大型のメッキ(エバ)、アカメ等を狙うルアーマンも多く、かつて河口から港周辺に通っていた頃が懐かしい。

宇目町漁協の管轄でアマゴが釣れる箇所があるので、できればヤマメに統一してもらいと願っている。 さて、ヤマメの「数釣りにもってこいの良い川だ!」というわけではないものの、ダムから上を中心にして、数多くの伝説が生まれてきたのをご存知の方は多いと思う。イワナで言うところの潜水艦級やダムからのサクラマス・弩級ニジマスなど、心ときめかされた練達のトラウトファンも多いはず。自身も’03年8月には合わせたとたんに絞られて、ひとのしで0.3号がぷっつりといった悔しい記憶もある。

中流域でのサイズ狙いから源流部の美形狙いまで幅広く楽しむことができるのが北川。流域自体も五ヶ瀬や大野川などと比べて広いわけではないので、各支流と無数にある小さな支谷をはじめあちこちと場所を変えながら遡行を楽しむことができる。県外からなら藤河内、三重、延岡などに宿泊してゆっくり狙ってみるのもいいだろう。 大野川や五ヶ瀬川に比べれば入渓者は少ない。

サイズなら北川ダムインレットから上流(禁漁区に注意)もしくは流れのしっかりと出ている本流及び小川の中流域をお勧めしよう。道具立てはしっかりしないと筆者同様に泣きを見ることになる。 年を経るたび各谷にはヒルが多くなっているので、支谷に入る際は対策・心積りをお忘れなく。ライターなど火は持って行くべき。

支流の小川及び本流もそれぞれ国道10号、326号線という大きな道に沿って流れるため、川遊びや投網なども楽しみやすく、入渓箇所を探すのも楽だといえる。 小川方面はほとんどが道路脇となり、流れ自体もやさしいのでお気楽な渓流釣りの方は小川水系の方がお勧めする。傾山周辺にはべにがら谷・鋸切谷・立松谷など練達者向けの流れも多く、入渓に厄介な箇所もあるのでポイント選択時には注意。サイズや数に関してもポイントを絞りこめれば、どちらでもある程度の結果はついてくると思うので、後は好みの問題。本流から源流までバリエーションのある釣り場が続き、同一水系内での釣り場変更もしやすく、サイズも狙える点では最高の川だといえる。

唄げんか大橋・藤河内渓谷

主な流域である延岡市北川町(宮崎県)はホタル、天然鮎、ウナギ、イノシシ肉で、また佐伯市宇目町(大分県)はトトロバス停、藤河内渓谷、宇目の唄げんか、木浦すみつけ祭りなどが知られている。木浦名水館及び藤河内湯~とピアにて、釣りで疲れた身体を温泉で癒すのもいいだろう。

主な支流別目次

北川ダム下本流筋

本流筋の支谷

釣りやすい場所も多く、かなり下流部から狙える場所もあり、支流・谷も多いので楽しむことができる。ただ北川ダム直下の本流部は、時期により水はあっても流れが止まる箇所もある。本流大物狙いは下赤より下流がメインで、上は水量があるときの一発♪ 本流部の主な狙い目は深崎から下赤の調整池下までで、長竿以外ならルアーなどリール竿の出番になる。もちろん本流ヤマメのサイズは大きく、40cmクラスの釣果をあげた地元の方も居られる。

北川ダム下の各支谷は流程自体それほど長いものではないので、魚止め探しでなければ1日に2本から3本ほど廻りながら楽しめる。サイズは尺クラスまでになるが、魚体は中々のものだ。ヤマメの黒点が少ない個体も居るなど、おいらは特徴探しの釣りを楽しんでいる。 残念ながらキャパの面から、谷の名称はあげられない。25,000分の1地図を片手にそれぞれ遡行していただきたい。もちろんヤマメの濃淡はあるので谷巡り釣行としゃれ込んでほしい。釣りやすく初心者の方から入れる谷と厳しい遡行が待つ中級者以上向けの谷があるので注意は必要だ。

桑原川

夏木山・桑原山から流れ、北川ダムの少し下流部にあたる上赤で本流と合流する。出会いからも釣れるがエンテもあるため発電所より上流部がメインの釣り場といえるだろう。 途中には湯~とピアや藤河内渓谷もあり、観光地としても有名なため狭い道のわりに車も多いので時期・時間によって注意が必要。

正直なところ、エノハよりも手の届かない絶壁に美しく咲き誇るイワツツジに見惚れていただきたい。 支谷も釣り場として有望。七年谷、立松谷、鋸切谷ともに水量はしっかりしておりエノハの数も望めるだろう。ばかげたサイズのエノハが居るわけではないが、8寸越えから尺クラスまでは狙える。ただし、単純にサイズならダム上の中岳川がいいだろう。

中岳川

北川のヤマメ

中岳(地名)より上がメインの釣り場となるが、一部禁漁区間があるため注意してほしい。本筋にあたる木浦付近の源流部はかなり細い谷となり、護岸も多く釣りにならないので、ポイントは木浦の小中学校あたりまでと考えてほしい。道も川に沿って走っており、釣行している人も多いため頭ハネにはご用心を。 遡上物を含めサイズ、数とも狙えるが、人も多いので釣果はタイミング次第か。エノハの魚影自体は薄くない。

中岳川支流長渕川。この渓相は全体的に緩やかで釣りやすい箇所が多い。源流も険しくないので、ゆったり釣りを楽しむにはいいところ。西山川ほどではないが尺クラスも狙える。

中岳川支流西山川。この水系の本命であり人気のポイントだ。本流の源流及び支流の傾川源流べにがら谷は遡行が楽しめるが、沢のグレードは高いため初心者は無理をしないほうが良い。中岳川との合流付近より上は全てポイントといっていいので、初心者の方は下流側の方がよい。 エノハの魚影も濃いので、サイズ・型ともにダム上では最高の流れ。1日をゆっくりと釣っていただきたい川だ。

田代川・市園川

R326号線沿いを流れているのが田代川で北川の源頭にあたる三重から宇目に入るとすぐの流れだ。一般的な里川と言える雰囲気を持っている。どうしても中岳川・桑原川に目が行くがこちらは穴場としておさえておく。竿抜けの箇所は多く、意外に良い思いができる。ただし全体的に魚影は濃いといえない。またインレットから上小野市までは入渓の経験が無いため何ともいえないが、ダムからの遡上物に期待したい場所。

残念ながら市園川については経験・情報ともに無。北川ダム上流の川で、重岡小・中の傍を流れている。遡上物は居るかもしれないが不明。

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小川

小川のヤマメ

JR日豊本線の北川駅下流で北川本流と分かれた小川は、国道10号線沿いに流れる。この川の支流となる鐙川とは葛葉あたりで再び分かれる。周辺山域の標高も低く、流れも全体的に緩やかなところが多く、穴場になる時も多い。また、道路のすぐ傍を川が流れているので初心者の方も安心といえるだろう。

完全に里川の雰囲気を持つ場所から、ちょっとした源流部まで豊かな表情をみせる癒し系の川といえるかもしれない。北川本流筋の各支谷に比べれば標高の低さもあってか、全体に渓相はかなりおだやかと言える。個人的には沈下橋や付近の山の具合など、高知西部を思わせる雰囲気が懐かしさを感じさせる。川原で家族や職場でのバーベキューにもグッド。

さて、エノハ(ヤマメ)は下流部から全域に亘って生息している。ポイントさえ掴めれば、下流部での一発に期待を持って釣りたいところと云える。北川本流に比べ長竿でも狙えるところが多く、本流物を狙うには良い。もちろん、ルアーでの一発にも期待がかかる。

小川支流矢ヶ内川。放流のお陰か上流部にまでしっかりヤマメは入っているが全体として型は小さめ。それでも魚影は薄いとはいえない。コソっと釣るには楽しみなおいら好みの川。源流部も段落ちが激しいものではない。ハヤやアブラメの外道ばかりだなぁ~っと油断していると危険(笑!)。

小川支流下塚川。ヤマメの魚影は薄くない。訪れた人を飽きない程度に楽しませてくれるだろう。矢ケ内川よりも谷が多く入っているので3人ほどで入っても谷を分けられる。サイズ、型ともに矢ケ内川と変わらないだろう。

鐙川

鐙川

国道10号線に沿って流れているため釣りやすいが、もちろん人も多い。ある時期を過ぎるとガクッと型・数とも出なくなる気がする。ここは歩道がないので、釣りあがってから下るときに路側帯を車まで帰るのは少し恐い。重岡駅手前までヤマメは居るが、本筋の源流は思うよりも魚影は薄い。 小川との合流付近から上で良型のエノハが狙え、大物ならそこらを狙ってみるのが面白い。強烈なヒキを見せる弩級な魚もいるので、本流竿かルアーで狙って欲しい。

鐙川支流切込川。林道がすぐ傍に走っているので、遡行は非常に楽。エノハの魚影自体はしっかりしているが、人も多いため場荒れが非道いことも。ただし、本流からの遡上物も狙えるため、雨後は油断のなきように。緩やかに流れる川で遡行自体は楽。段落ちなどを楽しみたい方は北川本流の支谷を攻めた方が楽しいだろう。

鐙川支流赤松川。切込川と同様に遡行は楽で、エノハの魚影も薄くない。キャパ自体は切込川のほうがあるかもしれないが、ゆっくり狙うのにも、また切込川、小川の予備としてもいい川だ。合流部が滝のため、本流からの遡上物には期待できない。

赤松川

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北川および宮崎県内の河川と渓流釣り情報

北川の他にもエノハ亭内では宮崎県内の渓流釣り河川情報を、トラウト解禁情報は淡水釣り場手引にて下記の頁に掲載しております。釣行の参考になれば幸いです。

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