渓流釣りを安全に楽しく 実釣中のトラブル例と回避方法

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渓流釣りのトラブル対策

渓流釣りでも他の趣味やスポーツと同じように様々なトラブルが起きる。
里川や中流域よりも歩く距離が長くや足元の不安定さの増す上流そして源流域へ行くほど、トラブル発生の可能性が高まると考えてよいだろう。

そこで渓流釣りの実釣中に起きやすいトラブルと渓谷内での移動や川へのアプローチ時に起きる二つに分けて見ていきましょう。

渓流釣りの実践中に起こるトラブル

釣りにフォーカスしてみるならば、他の釣りと変わらないトラブルが渓流釣りでも起きます。
また、苔のせいで滑ったり、浮石で転倒したり、急な雨での増水などの危険性は以下の頁にて説明しています。

4~5回ほどやったことがありますが、現着後に車を止めて装備を取り出して「あ、鮎タビ忘れた…」と、これもトラブルですww 皆様もなにより忘れ物に注意してください。

また、いつも同行する相方が「ハリ買ったと思ったんですが…(ニコッ^^)」とか「あ~オモリがなかったんですぅ(テヘペロ)」とか「新しい竿買ったんですか? 古いの要らんでしょ?」なんて、現場にて強盗になるのもよくあるトラブルかも知れません…。

竿を振る時のトラブルと注意

渓流での実釣中には竿をふってエサや疑似餌を投入するのですが、入門者に注意してほしい場所があります。

  • 木の枝
  • 自分の左右上後
  • タモ
  • 蜘蛛の巣

特に木の枝ですが振りかぶった時やぎりぎりを攻めた時そして勢いよく振り込んだ時などが絡まる危険があります。またエサ釣りの竿は総じて長い場合が多いですので、頭の上側や振りかぶる方向に枝などが無いように(自分の左右上後を)確認しておきましょう。

動画などを撮影する機会があれば載せたいと思ってますが、簡単に言って対応策は仕掛けを切るか外すかの二拓。竿を下手に強くあおると折れる危険性が高まりトラブルが広がるので焦らずに行きましょう。

絡んだ場所に手が届けば外せますので焦らずに、手間は取りますが仕掛けは変えればいいのですから。変に仕掛けの糸を引っ張るとハリが枝に食い込んで取れなくなりますので。

手の届かない場所に仕掛けが引っかかった場合でハリが手元に来る場合は、竿をかかった方向に向けハリから少し上の糸を持って仕掛けを張り、かかっている場所から反対側に軽くトントンとあおることを繰り返せば外れることがあります。まぁ何回か引っ掛けると慣れるはず、渓流釣りをする人はみんな通る道ですので。

まぁ筆者の様に短気な人間だと、「あ~もう、こんクソガキャァア!! (ポキン)ああああ…」なんてことになります。下でも述べてますが、切り立ったような場所でなくても川の流れる音で色んな音が聞こえにくいはずですが、折れた時の音だけは補正が効きすぎてるのか耳の中に良く残ります、ええとても良く残りますよ(ニッコリ)。

また、ちょっとした弾みでタモや服にも針が刺さることがあるので慌てずに。

春から初夏にかけては、綺麗に決まったはずの振り込みなのに、仕掛けはポイントの上でブラブラするなどと蜘蛛の巣が邪魔をし始めます。渓流釣りで使う糸は細いので、傷めて強度を落さないように糸の穂先方向にこきあげるか外してしまいましょう。

仕掛けのトラブル 根がかり

水中の岩や藻に沈んでる木の枝などがあるため渓流でのエサ釣りは根がかりとの勝負と言えるかもしれません、この場合の対処方法も木の枝と同じく外すか切るかの二択となります。

筆者の場合、糸や針を現場に残すのは嫌なので手の届きそうにない深場や急流がある以外は、できるだけ外しに行くようにしています。川の中にザブザブ入ると場が荒れるとか魚が散るのは嫌だから、糸を引っ張って切るのが前提という人も居るでしょうが、切る時の糸鳴きも馬鹿にはならないと思ってます、仕掛けを変えるよりも早いですしね。
根掛かったハリを外す事自体はそう難しくないですが、流れの中を歩いて行くのである程度川歩きに慣れてからが良いと思います。

糸を切る場合ですが、糸を持って引っ張ることができない場合竿ごとまっすぐに引っ張ります。この時に振り出し竿の場合は継ぎ目が固着することがありますので力加減には注意をしておきましょう。固着した箇所を無理に直そうとするとポキっと逝きますので。

竿は折れる物

不用意という言葉が相応しいのか、筆者の竿折数は数えたくありません。特にのべ竿は細いので、無理に力を入れると簡単にポキっとなります。

経験から実例を思い浮かべると、仕掛けが絡んだので無理にあおる、転倒したときに下敷きになる、撮影や仕掛け直しで竿を地面に置いたまま踏み折る、勢いよく振りかぶったり振り込んだりした先の岩にぶつける等々となります。また土や砂が手に付いた状態で竿に触っていると、竿を伸ばした際などに砂利が竿を傷め折れる原因を作ることになりますので、ミミズなどを触った後などはこまめに手を洗うのがお勧め、土や砂の付いた手で竿を触らないことが大事です。

最近の竿はほぼカーボンでしょうが、折れた個所のカーボン繊維はめくれて肌に付くとチクチクしますのであまり触らない方がよいでしょう。

ちなみにルアー竿でウエダさんちの5.6ftUL(グラス製)でしたか、車のドアに挟んでも折れませんでしたw

のべ竿の修理ですが、穂先交換及び継ぎ目の修復は個人でもできますが折れたら交換しかありませんのであしからず。安い竿でも気に入ったのがあれば、予備用にも数本買っておけば全部が折れてもニコイチ、サンコイチでごまかすことも可能となります。

仕掛けや装備が流れることがある…??

渓流釣りではベストを着る人が多いでしょうが、現在の筆者はザックに鮎ベルトを締めて釣っており、仕掛け類はポーチに入れ餌箱と共に鮎ベルトに装備しています。
好みや装備の関係があるので特段どちらが良いというのは有りませんが、糸やハリにエサを交換する際に注意しておくことがあります。

良さそうなポイントや何らかの反応が見えたりするとついつい焦ってしまいますが、その際にポーチやポケットのチャック、餌箱の蓋などを開けたままにしてしまうことがあります。

渡渉やエノハの取り込みの際に下を向いたりすると、ボタボタボタっと落ちてしまい流れの強い場所で軽い物だとサヨナラしてしまうこともありますのでご注意ください。

渓谷内は声が届かない

同行者と釣り上がる際に上源流域で5から10mも離れてしまうと、川の流れの音が意外と大きくて全く何を言ってるのか聞こえないという事に気づくでしょう。

ソロで入渓している場合に怖いのは転倒などによって動けなくなることです。そのために、装備の中に位置を知らせるための笛などを持っておくと良いですね。昨今ではスマホも発達してますので緊急時の連絡が着くと思いますが、高性能の道具を過信しすぎるともしもの時に対応できないので用心しすぎるに越したことはありません。

気の知れた同行者が居る場合は、手信号などで分かるようだと安心して行動できるようになります。

渓流釣りへのアプローチや脱渓時に起こり得るトラブル

渓流釣りで上流から源流部に入渓すると、徒歩による移動距離も長くなりますし人家もまばらでトラブルが大きくなる可能性があります。出発の際に家族や知人には、河川名にある程度詳細な入渓場所や予想行程を伝えておくのは大事です。ただ、本流釣りですと人家に近かったり移動距離も短くトラブルが発生する確率は高くはないと言えます。

以下では、入渓へのアプローチ(車での移動を含め)や脱渓時に起こりそうなトラブルの実例をあげておきますので確認してください。

山の夕暮れは、早いのである

渓流釣りの入門者が経験を積んだ頃に起きやすいのではないかと思うのが、ついつい遅くまで釣ってしまうことではないだろうか。山の夕暮れは早く、光の通りやすい川原が薄い暗がりになる頃には、木々の生い茂る脱渓する崖や山道はほぼ暗がり状態となっています。

のべ竿というより振り出し竿の場合は短くできるしザックに仕舞えば両手は空きますが、ルアーやフライの竿だと二本継や継ぎ手無し(ワンピースやツーピース)なので片手しか空きません。明るい時の崖の上り下りでも気を使うのに、暗がりだとより慎重にならざるを得ないでしょう。

真っ暗な渓谷の中
限界ぎりぎりの渓谷内写真 PS補正のお陰ですが元は真っ暗です…

実際、筆者も真っ暗になるまで釣ったことは幾度もあるし、びしょ濡れになるほどの雨の夕闇を脱渓地点まで釣り上がったこともあるが、今考えれば転倒からの大怪我をしなくて良かったと思う。これは、特に何度も通っている場所で渓相も状況も知っているから大丈夫という、いわば油断のようなもので褒められたものではありません。

一応装備には海の夜釣りで使うようなヘッドランプなどを持っておくと良いのですが、あくまで進行方向の一部分しか照らすことができないことをお忘れなく。気持ち早めの脱渓を心がけるようにしてください。

夜ではありませんが装備も何もないまま低山を散策中の事でした。道がなくなったので引き返せばよかったものを「そのまま藪をかき分けた方が早いやろう」、と道の無くなった尾根筋から近くで人の声がしたような方向へと突き進んだ挙句、完全に遭難状況になった事があります。

道がなくなった時に引き返せばよかったのですが、尾根筋に沿ってどこかで直下した方が楽だなと胸の辺りまでの低木帯をかき分けると運よく道に出会いましたが、サングラスは枝に引っかかって失くしてしまうし、服も破れてしまいました。

これを渓流釣りに当てはめると竿やタモは間違いなく折れるか無くなるかしているでしょう。焦らずに判断し、引き返す勇気が大事だなぁと書きながらしみじみと考えます。

山の夜は、怖いのである

距離のある釣り場の場合は、前日から車中泊などで夜を過ごすことがあると思います。車を止めてふと奥深い山の夜を眺めると、特に新月の場合などは何処までも暗く、とことんまで静かです。

慣れてない人は幽霊がでるかもなんて思うでしょうが、もしも幽霊や不可思議な現象に出会ったらそれを研究対象にしている筆者に是非ご連絡を♪ もちろん渓流釣り以外でも可。
ビビリの筆者ですので幽霊が出ると怖いのですが、それ以上に人間の方が怖いと考えてます。

大分に住んで居ますから大分川で釣ろうとする際、車中泊まではしませんけれど朝の2時とか3時に現着して転寝しながら朝を待つことがあり、これまでに怖い人に出会った経験もありません。

しかし、この大分川の夜間では飛び降り自〇があったり、〇した人を橋から投げ捨てたりという事件(ハイ、其処ググらないw)が起きてますし、大分市や別府市内からは車で凡そ1時間と少しの範囲ですので、不法投棄の場面に出くわすかもしれません。人間ってあきらかな間違いや悪い事をしていると分かってることを指摘されると逆上する人間が一定数居りますから。それこそ、「見たなぁ!」と何をしてくるか分かりませんw 同行者が居ないとトラブルの際の危険度は増すはずです。

筆者が対応策として考え得るのはナタやバールを持つことくらいでしょうが、職質などもあるのでお勧めもできませんからね。格闘技を練習するなどは本末転倒ですし、後は外から覗かれないように寝る位でしょうか。

人とのトラブル

夜の人間の恐怖はネタ的な部分も強いので気にし過ぎることはありませんが、渓流釣りでも人が関わるトラブルは発生します。

何時の間にか、自分の前に見知らぬ釣り人が釣り始めていたりして強い口調で注意すると間違いなく揉めます。経験上こちらが釣ってることを分からずに釣り始めた人は「あ~、ごめんなさい」と話し始めますが、確信犯の場合は「俺の方が先に釣っていたんじゃ!」などとなります。

こんな時に言い争うのもは時間の無駄ですから、思い切ってより上側に先行する(この場合は2kmほど上側に等と意思表示しておく)か川を変えた方が気分良く釣れると思います。

さてもう一つが河川漁協の監視員とのトラブルであり、釣り人側の意見として以下の事が聞かれます。

「〇〇の監視員は上から目線で生意気だ!」
「魚籠の中まで確認しなくてもいいやろが!」
「釣れんくせに金だけは獲りやがる!」 
「僕は慈しみの心を持ってリリースしてるのに投網で獲って喰うとは何事か!」
「川はみんなの物なのに漁協が優先なのはおかしい!」
「放流後に漁協の人が投網で獲っていたのですが…」

筆者としては、言いたくなる気持ちくらいは理解をして差し上げますが、漁協に文句をつける場合はしっかりと各県の漁業調整規則及び当該河川に関する部分くらいは読んでおきましょうと言いたくなりますね。
まぁ確かに筆者自身も漁協には「それはどうなのか?」という部分は沢山ありますが、それは漁協さんに直接意見すればよい事なので、ここでは監視員さんに絞って見てみましょう。

自分の立場で考えてください、せっかくの休みに手弁当(ガソリン代等)で管轄の区域を回ってみれば、川原にはゴミが散乱しているし、「日券を購入してね」といえばこちらに食って掛かりどこかへ消えて行く密漁者、頭を下げて魚籠を見せてもらえば採捕規定以下のエノハがずらり…
釣り人であれば週に一度とかの釣りであり監視員との出会いも毎回ではありませんが、監視員の場合は毎日であるため心も荒みます。中には掴みかかったり脅してくるなど、最悪の場合は警察すら呼ぶ必要がでてきます。密漁自体は最初から違法になるので、即警察を呼んでいないのは監視員さんの温情的な部分もあります。

金も払うことなく川原で夜まで大騒ぎのキャンプをし、釣りをするなら日券をと言えば逆切れして掴みかかってくるような馬鹿に、危険を感じて散弾銃やナタを持ち出した人が居たとしても止むを得ないことと思えます。

※ちなみにですが、大分県では内水面漁業調整規則は漁業調整規則としてひとくくりに変更されています。県及び大分川などでは採捕数やサイズについての規定はありませんが、筑後川水系の津江漁協ではエノハは1日に15匹まで、15cm以下は採捕禁止などとなってますので各河川毎に確認しておく必要はあります。

最初から漁券を買っておけばなんの問題ないのですがね。朝早くに漁券の購入場所が開いてない場合もありますが、釣り終わってからでも構いませんし現場で監視員から購入する事も可能です。

無駄にトラブルを招くより安心して釣りに臨むよう心がけてください。

その他に想定されるトラブル一覧

車関係では、事故やパンクに車上荒らしがトラブルとして考えられます。特に良い道具や財布等を見える場所に置くのは止めておきましょう。

地震や大雨で交通状況が大きく乱れることがあります。ある程度俯瞰的に見れる地図や色んなルートでの行程は常に頭に入れておく方がより良いです。

今ではGPSも普及しているので林道や山道などで自分の位置を確認できますが、それ以外の場所だとGPSでも頼りになるのは方角と地形だけとなります。まっすぐ進んだ先が急な坂や崖でないように、地図を読む癖を付けておくようにしておくと良いです。

夕闇の中でのエノハ
これはトラブルを呼ぶような悪い例

上の写真が危険そのもので、突っ込みだらけの画像。色んな意味で恥ずかしいので封印していた写真でもあるが、今回の例として泣く泣く提示してみました。
多少は開けた川原ですが暗すぎてフラッシュ必要、暑かったとはいえ半袖に手袋無し、首回りも半壊、ベストのポッケも開き放しの上に胸元まで濡れているのは何故か?

安全は存外幸運の上に成り立っているのだなぁとシミジミ思います…。

釣り場でトラブルに遭わないためにの関連頁

渓流釣りの入門者や初心者の方は、トラブル回避・安全釣行のため上記各頁を参考にしていただけると幸いです。

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