番匠川と堅田川の渓流釣りとエノハ

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番匠川の渓流釣り

番匠川水系の概要

大分県南の佩楯山(はいだてさん、754m)南麓の三国峠を源頭として、本流筋は旧本匠村を流れくだり旧弥生町方面の井崎川と合流し佐伯市街地へと進む。旧蒲江・旧鶴見両町との境から流れる堅田川とは河口にて合流し佐伯湾へと注ぐ一級河川。幹川流路延長38km、流域面積464平方km。

大分県だけでなく九州でも屈指の清流であり、春の河口付近で行われるシロウオ漁、初夏のホタル乱舞は風物詩となっている。このホタルは数十万匹が光を放つ西日本有数の生息地として知られるが、地元の人に言わせれば「水が汚くなったから増えてしまった・・」というもので、その清冽さを窺うことが出来ると思う。

アマゴ

番匠川と堅田川の渓流釣りと周辺施設

まずは番匠川水系の渓流釣りを概観してみたい。研究などでヤマメの川と聞いていたが、アマゴの川だと思える面もありもっと調査をしたい川である。 地元の方によるともともと混生域であったとも、アマゴの川だったとも聞く。ヤマメの放流はしていなかったという漁協関係者の話もあるため、現状はヤマメもアマゴも釣れる川であるとだけ記しておく。アマゴ好きにとって本当に嬉しいのは、一部の源流域に朱点も鮮やかな個体が居ることだ。

おそらく放流数によるものであると思うが、本流筋の中・下流域にはほとんどヤマメ・アマゴは居らず、各支流や谷の上流部が渓流釣りのポイントとなる。中途半端に下でポイント探しをするより、見切って上の流れに入った方が楽に好釣果を産む。
上流にしても魚影の濃淡がハッキリしているので、川換えをする場合も北川方面を考慮にいれて思い切った移動をすることをオススメする。

漁協は番匠川と堅田川の2つあり、遊漁券も別である点は注意が必要。 番匠川も堅田川も意外に堰堤が多く、砂利の出た沢が多いのが気にかかる点。 両河川とも渓相は緩やかでポイントも分かりやすく、川筋に沿って林道以上の道が付いている箇所も多く、渓流の釣り場としては初心者でも安心して楽しめるだろう。ただし、放流数自体は少ないため、しっかりとした技術は求められる川といえる。

初夏の番匠川本匠付近のホタル

参考 ツーリズムおおいた

番匠川・堅田川は単に渓流釣りという面からではなく、川魚漁、水の透明感、風景と穏やかな渓相などといったものを含めて大分壱の川だと常々思っている。源流から河口部までゆっくりと散策し、夏は一泳ぎでもしようかというのんびりスタイルの渓流釣り志向の方には最適の川だ。

水系周辺には小半(おながら)鍾乳洞や本匠村の水車などが有名で、また北川と同じく川遊びも楽しめる。潮と人に塗れた海水浴場で泳ぐより家族でマイビーチならぬマイ川原の雰囲気をぜひとも味わってほしい。

温泉好きの筆者にはこの方面に温泉が数少ないのが不満であるが、「佐伯の殿様浦で持つ」と言われたほどに海産物は美味い! また大分県南のラーメンは味が濃く県内では独特の趣もあるし、ゴマだしうどんもこれまた一興。高速に乗って帰宅する前に、ちょいとグルメを楽しむこともできる。

主な支流別目次と参考地図

番匠川と各支流

銚子八景

参考 ツーリズムおおいた

番匠川は本匠あたりでは因尾川(いんびがわ)とも呼ばれる。三国峠付近から流れ出し本匠をゆったりと流れ下る。ホタルの乱舞や水車に因尾茶が有名。一部の中流域では季節によって伏流・涸れ川化するときもあるが、これは地下に潜在している石灰岩層中に大きな地下川系が理由とも考えられている。

美しいアマゴの棲む川だが全体に魚影自体が特に濃いということはなく本流の中下流部ではハヤ類の猛攻にあうので、上~源流部及び支流の上津川、小川川、小又川などがいいだろう。水量もしっかりしているが、一部で堰堤が連続する場所や小規模なダムもある。

手ごろな入渓可能な箇所も多く、大分川や大野川に比べれば人も少なく、お気に入りのマイポイントを見つけられるだろう。
渓相は大人しく、なだらかなので入渓者を選ばない。巧くは言えないのだが、昔ながらの渓流釣りが楽しめるのが番匠川だと思っており、大分川や大野川のアマゴに飽きたら一度は狙ってほしいと思う。

番匠川の本筋の水質はいうまでもなく美しく、魚も美しい。特に朱点の橙色が強く四国のアメゴっぽく感じられた魚体を持つものとの出会いはここの楽しみの一つだ。
下流域にて久留須川、井崎川といった支流と合流する。 ちなみに、水車小屋近くの遊歩道にはクライミングのルートがあり、その筋の人には結構有名な場所。

久留須川

久留須川は本匠笠掛にて番匠川と合流し、上流へはJR日豊本線直見駅より同本流はR10号線に沿いに旧宇目町の重岡駅手前まで続く。

国道沿いの久留須川本筋は水草も多く里の用水路的な川で地元の方向きの川と言えるが、赤木川と横川川をはじめとする各支谷の上~源流部が狙い目。もちろんのこと尺がポンポンでるという川ではなく、八寸がでれば満足。タイミングさえ合えばツ抜け程度の釣りも容易にもできるだろう。 状況が悪くポイントを変えるならR10を南下して、北川水系鐙川あたりでお茶を濁すのも手。

井崎川

番匠川水系のヤマメ

大分市方面からR10号を南に進み、中の谷トンネルを越えた旧弥生町から流れ下る井崎川もエノハのポイントである。尺間様の入り口付近から下流は伏流していることが多い、 釣れる範囲は非常に狭く本筋及び小谷を狙っていくものとなるため、開拓好きの方にのみおすすめしておく川といえる。基本的にポイントは上流部のみ。 最源流付近であった地元の方に「昔はここまで鮎も遡っていたのに今はアブラメとハヤだけで、エノハも少ないよw」と寂しい言葉も聞かれた。

井崎川はサイズ・数とも期待できるものではないが、水も美しくのんびり風景を楽しみ、お握り食べて水浴びして癒される感じで釣って欲しい川。支流にあたる床木川は、残念ながら経験情報ともになく、ヘペレイが放流されたダムがあるというくらい。

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堅田川と各支流

番匠川と河口付近にて合流するのがこの堅田川で、独立した別の川と考えているし漁協も別である。個人的には蒲江へとルアーやジギングに通っていた頃に旧佐伯大橋を渡り県道37号線を南へと「ひいこら」進むと出会う川という感覚だったが、今や東九州自動車道佐伯堅田ICで降りれば大越川下流に直行できるようになっている(うむむ‥)。

堅田川と大越川との合流付近にある堅田郷八幡社(城八幡)のハナガガシ林は県指定の天然記念物であり(のぉ@@今は国指定です、何時の間にww)、このハナガガシは四国・九州にごく稀に分布し、原生状態に近いこのハナガガシ林はきわめて学術的価値が高いことで知られている。釣れなかった時には訪れるのをオススメしておく。

堅田川も水の透明度や美しさに目を奪われることだろうが、中下流部は鮎専門と言って良くエノハはもっぱら黒沢川、山口川、大越川の支流や各谷筋を狙うのがいい。 また北川水系と共に伝統が脈づく鮎の引っ掛け釣りや投げ網は、友釣り一辺倒になってしまった鮎釣りが面白くない釣り人には新たな楽しみになるだろう。

黒沢川

黒沢川

佐伯市川井にある青山小学校にて山口川と合流するのが黒沢川であり、大分県内の河川に詳しい渓流釣り師なら有名な流れでもあると思う。流呈の短さもあって入渓者は多く感じられると思うし、土日なら間違いなく人とぶつかるだろう。

ヤマメとアマゴがまじって釣れ、放流量自体は決して多いとは云えないため釣果は安定しない。しかし、魚体は美しいものが多く、尾びれの付け根のくびれも引き締まったプロポーションなどとあわせて、釣り人の目を楽しませてくれるだろう。 04年の台風でかなり変わってしまったのは、至極残念。

初心者から楽しめる渓相はステキの一言。川の脇には林道が走っているので、エサ釣りだけでなくフライやルアーを始めたばかりの方にも釣りやすく、安心して入渓できることと思う。また水量は比較的安定しており、なんと言っても水も美しい。時期によっては遡上物も期待でき、地元の釣り人によれば、「型狙いは下だで」とのこと。

山口川

山口川

県道37号線を蒲江に海釣り等に行くと、沿って流れているのが山口川。道沿いは砂利が出ている箇所が多く、流れが薄いので歩きには注意が必要。 初めての印象と結果は、良型も狙えそうという印象とは遠く六寸程のエノハのみだった。大物情報を聞かされて出撃した谷もあり、その時は美形の九寸越エノハが遊んでくれた。

佐伯市から好アクセスということで、地元のファミリーの川遊び場所でもあるため、夏の時期は譲り合って遊びたいもの。 他と同じくある程度上~源流部がポイントとなる。平瀬というかチャラ瀬というか、そんな感じのポイントが多いところでもある。 思うより深く、慣れると浅い谷といえる。

※尺越のエノハが楽しませてくれるという谷があるのだが、個人的にどうしても寂しさと恐怖を感じてしまう、何となくだが不気味さ、いや幻想感に包まれると言うべきか…、落ち着かず常に帰りたくなる場所がある。一人では二度と行きたくないと思うほど、何故だか不思議な場所だ。

大越川

アマゴ

かなり以前は全域が禁漁区だったが、現在は開放されているため渓流釣りを楽しむことができる。 全体的にエノハの魚影は薄めだが、8寸前後までは狙える川という認識。穴場とまでは云えないが、山口川や黒沢川の予備的な河川として覚えておくといいだろう。流れや渓相は大人しく、当然ながら水も美しい。

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大分県内の渓流釣り(エノハ)情報

エノハ亭内にて、大分県内の渓流釣り河川情報も下記の頁に掲載しております。釣行の参考になれば幸いです。

大分 渓流釣り・トラウト解禁情報にて、遊漁券・期間等の詳細を掲載しています。

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